話し方を学んでも話すのがうまくならない理由
話し方を学んでもあなたの悩みは解決されない(緊張、冷や汗、震え)
話すのに苦手意識がある方、明日のスピーチ嫌だなと思っている方、そして、話し方を調べている方・・・残念ながら「話し方」をいくら調べてもあなたの悩みは解決されません。
少なくても私はそうでした。
あなたの悩みは、話すときに冷や汗がにじんできたり、声が震えたりせずに、何事もなく乗り切ることではないでしょうか。
そのために話し方を学ぶことは解決になりません。
「もっと抑揚をつけて」
「もっと表情豊かに」
「もっと声を大きく高く」
これは私が実際に言われたことがあるアドバイスです。
なぜなら話し方は余裕がある人だから気にかけられる
しかし、考えてみてください。
これらのことに気を配れる人ってすでに十分に余裕のある人ではないですか?
「何を話すか」でいっぱいいっぱいなのに、そこからさらに話し方にも気を配れなんて言われても当然パニックです。
苦手な人が気にするべきは話す内容
では、どうすべきか?
話すのが苦手な人が気にすべきは話す内容です。
そして、話す内容を学ぶなら文章を学びましょう。
そして話す内容を学ぶには文章
なぜかというと、あなたが分かっていないのは、何をどの順番で伝えるべきかです。
そして、文章の技術を学ぶことで解決します。
「何をどの順番で伝えれば、人が最後まで読んでくれるか」
これが文章の技術に詰まっているからです。
そこで、今回は様々なフレームワークがある中で
基礎の基礎となる2つをお伝えします。
絶対抑えておいてほしい文章フレームワーク2つ
そこで今回は様々な文章のフレームワークでも今すぐ使える基礎中の基礎「絶対抑えておいてほしい」2つのフレームワークをお伝えします。
- ピラミッドストラクチャー
- PREP
マッキンゼーの文章コーチが開発|ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーはコンサルティング会社マッキンゼーで文章の書き方を教えていたバーバラ・ミントさんという方が考えたフレームワークです。
ピラミッドストラクチャーとは、大きいものから順に小さいものへ伝えていくピラミッド構造のことを指します。
なぜこれが大切かというと脳の記憶の仕組みと似ているから。
例えば、
本・ネット・SNSを比べてみると
本はまとまっている
ネットは無料
SNSはリアルタイムという特徴がある。
と言われるのと、
情報のインプット方法について、本・ネット・SNSを比較してみたい。そうすると
本はまとまっている
ネットは無料
SNSはリアルタイムという特徴がある。
と言われるのでは、後者の方がすっと情報が入ってくるのではないか。
このように大きい事柄から小さい事柄へ伝えることで人に理解しやすい情報となります。
結論ファースト|PREP
2つ目はPREPと呼ばれるフレームワークです。
これは結論⇒理由⇒具体例⇒結論の順に伝えるフレームワーク。
皆さんも「結論から話して」と言われたことはないでしょうか。
このようにシンプルでありながらメールや上司への報告まで幅広く使えるフレームワークです。
PREPのポイントは今お伝えしたように最初に結論を持ってくるところです。
なぜなら聞き手の集中力が最も高いのが最初の30秒であり、その間に聞き手をひきつけるため。
実は、先ほどのピラミッドストラクチャーの説明もPREPになっています。
PREP | ピラミッドストラクチャーの例 |
---|---|
結論 | ピラミッドストラクチャーは人に伝えるためのフレームワーク。どうやるかというと大きい事柄から小さい事柄へ伝える |
理由 | なぜこれが大切かというと、脳の記憶の仕組みに似ているから人間に取って理解しやすい |
具体例 | 本・ネット・SNSの比較 |
結論 | このように大きい事柄から小さい事柄へ伝えることで人に理解しやすい情報となる |
このようにPREPを使うとシンプルでありながら分かりやすい情報となります。
以上が絶対抑えておいてほしい文章フレームワークピラミッドストラクチャーとPREPです。ぜひ今後分かりやすいなと思った、文章、プレゼンを構造化して考えてみてください。きっといずれかのフレームワークをうまく使っていることに気づくと思います。
今すぐ使えるものをくれという方へ
この枕詞を使ってみて!
理屈は分かったけど、今すぐ使えないというそこのあなた!この記事を閉じるのは少しお待ちください!
「私が欲しいのは明日のスピーチで使えるものだよ」
はい。分かっています。ご説明した2つのフレームワークを組み合わせて今すぐ使える枕詞を作りました。
とりあえずこちらの枕詞を付けてしまえば、伝わるようになります。
<今すぐ使える枕詞>
- 今日何をお話するかというと・・・
- お伝えしたいことは・・・です
- それはなぜかというと・・・
- 具体的には・・・
- つまりまとめると・・・
- なので何をお願いしたいかというと・・・
<枕詞とその説明>
枕詞 | 説明 |
---|---|
今日何をお話するかというと・・・ | まずは「今日何をやるのか」の一番大きい事柄を伝えます |
お伝えしたいことは・・・です | そして結論を伝えます |
それはなぜかというと・・・ | 理由です |
具体的には・・・ | 具体例でイメージしやすくします |
つまりまとめると・・・ | 最後にもう一度結論です |
なので何をお願いしたいかというと・・・ | そして、聞き手にアクションを促します |
フレームワークで出てきていないですが、最後に聞き手にアクションを促すようにしましょう。人に何かを話すときというのは、話し手が聞き手にお願いしたいことがあるはずです。逆に、それがないとしたら、メッセージが弱いのでもう少し考えてみてください。
このようにお話の最初に枕詞をつけていただければ、どれだけ緊張しても、伝わる内容になります!困ったらお使いください!
上級編:先に聞き手の疑問を想像してみると応用力UP!
さあ、ここからは上級編です。
先ほどの枕詞をどうやって考えたのかご説明します。
この考え方を覚えていただければ、他の枕詞を考えたり、伝える順番や内容に困らなくなります!
ポイントは、聞き手の疑問を想像することです!
例えば、どれだけ人前で話すのが苦手な人でも仲の良い人との会話には困らないですよね?
これは、会話形式になっているからです。そして、ご自身が複数の人に一方的に話すときも相手の返答(≒疑問)を想像すると聞き手の理解に合わせた分かりやすい話となります。
<先ほどの枕詞を考えるための疑問>
枕詞 | 聞き手の感じる疑問 |
---|---|
今日何をお話するかというと・・・ | こいつは何を話すんだ? |
お伝えしたいことは・・・です | それで何を伝えたいの? |
それはなぜかというと・・・ | で、それはなんで? |
具体的には・・・ | イメージできてない・・・ |
つまりまとめると・・・ | あれ、何を言いたかったんだっけ? |
なので何をお願いしたいかというと・・・ | それで私に何をしてほしいの? |
上記のように疑問を考えてみると、一気に聞き手に寄り添った内容になりますのでぜひ試してみてください!最初は自由度がありすぎて困っちゃうかもしれませんが、この視点があるだけで全然違います!
皆さんの悩み解決の一助になれれば幸いです!
参考文献|考える技術・書く技術
ピラミッドストラクチャーを考えたバーバラ・ミントさんがピラミッドストラクチャーについて説明している本です。本記事では大⇒小の順番ということしかお伝えしていませんが、本書の中ではさらに具体的にそれぞれのシーンや業務別にどのようなピラミッドストラクチャーとすればよいかを説明しています。
「主張⇒根拠①、根拠②、根拠③」や「主張⇒方法①、方法②、方法③」…etc
実際の業務で使用していたものを元にした事例がたくさん詰まっているので、一気にビジネス文章や話す内容のバリエーションを増やしたい方は研究しがいのある本です。