スピーチ(Speech)は一般に「演説」と訳されます。
福沢諭吉がスピーチを演説と訳したことが始まりです。
しかしスピーチ(Speech)の語源はSpeakであり
話すこと全般を指すこともあります。
本記事ではスピーチとは何かと
スピーチのやり方をご紹介します。
なぜ会社でスピーチを行うのか
スピーチとは|プレゼンとの違いは
スピーチとは演説や発言と訳され、
つまるところ話すことを指します。
反対にプレゼンとは発表や提示と訳されます。
スピーチとプレゼンの一番大きな違いは資料の有無です。
プレゼンテーションでは一般的にスライドを用いますが
スピーチでは、基本的には口頭を前提とします。
スピーチとプレゼン、それぞれが使われるシーンを
以下にまとめます。
- プレゼン|営業、学会、セミナーなど
- スピーチ|会社の全体会議、団体や協会などでの代表スピーチ
上の例のように、
スピーチは話す内容に自由度が高い分、
難しく感じる方も多いです。
スピーチの狙い
では、まずなぜスピーチを行うのでしょうか。
会社を例にすると以下の2つがあります。
- 社員の意識統一
- スキルアップ
社員の意識統一
社長や役員などが社員に向けてスピーチをするのは
社員の意識統一が目的です。
会社がある程度の規模になってくると
社長が直接、社員と話すことも減ってきます。
そうなるとどうしても社員の気持ちは離れていってしまいます。
そこで社長が自ら社員に語りかけることで
会社の方向性を示し、
組織でゴールを目指します。
スキルアップ
社員がスピーチをする場合は
会社の意識統一に加えて
社員のスキルアップも狙っています。
スピーチを経験したことがある方なら
分かっていただけるかもしれません。
身一つで、何を話してもいい中で
大勢を前にして、自分の言葉で
話すのはとても難しいです。
実際スピーチがうまい人は
営業やプレゼンもうまいですし
マネジメントとして人に伝えるのも上手です。
こうした様々なスキルの向上を期待して
社員にスピーチの機会を与える会社も多いです。
スピーチを仕事にする(スピーチライター)
本章の最後にスピーチに興味がある方に向けて
スピーチを仕事にするにはどんな方法があるかを
説明します。
まずは聞いたことがあるかもしれませんが
スピーチライターと呼ばれる仕事です。
企業の経営者や団体のトップから
結婚式のスピーチまで
スピーカーの話す内容を
考える仕事です。
近年、政治家の名演説には
必ずと言っていいほどスピーチライターが
関わっています。
オバマ大統領の「YES, WE CAN」や
滝川クリステルさんのお・も・て・な・しも
スピーチライターの仕事です。
他には企業の広報が経営者の会見や
スピーチを作っている会社もあります。
スピーチのお仕事に関して以下の記事にまとめていますのでご参照ください。
ここまでスピーチとは何かについて説明してきました。
次章ではスピーチがなぜ難しく感じるかを説明していきます。
なぜスピーチが難しく感じるのか
スピーチが難しく感じる理由は大きく4つあります。
- スピーチのネタが思いつかない
- スピーチ原稿がまとまらない
- 話の展開の仕方が分からない
- 言葉に詰まる
スピーチのネタが思いつかない
いきなりスピーチをすることになると
まず困るのは何について話そう(=ネタ)です。
大勢の人に当てはまるちょうどいいネタを
考えろと言われても難しいですよね。
そしてネタを考えようとしても思いつきません。
ネタを考えるにあたっての情報が不足しているからです。
聞き手がどんな人が多いのか
話し手と聞き手の関係は
などを調べたり考えたりしてから
ネタを考えると大外れしにくくなります。
スピーチのネタに関しては
こちらの記事にまとめています。
スピーチがまとまらない
次の悩みは、話したいことがあってもうまくまとまらない。
例えば、
経験があるのは箇条書きで
トピックは出てきたけど
うまく1本のスピーチにならない。
これはスピーチ原稿の作成方法を理解することで
解消されました。
例えば、
スティーブジョブズは
スタンフォード大学でのスピーチで
シンプルに、
序論⇒本論①・本論②・本論③⇒結論に
まとめています。
話の展開の仕方が分からない
次に話の展開については
身近な話から抽象的な話に持ってくと
自然になります。
いい内容なはずなのに聞き手と距離を感じる。や
自分が話すべき内容なんだろうか。と
すこし恥ずかしく感じたことはないでしょうか。
こうした時は身近な話から始めることを意識してみてください。
聞き手にとっては、理解できない話や共感できない話は
苦痛に感じてしまいがちです。
しかし身近な話だけをして終わってしまうと
聞き手は「あなたのエピソードには興味ない」と
感じてしまいます。
ここでのコツは身近な話から聞き手全員に当てはまるような
抽象的な話に広げていくことです。
言葉に詰まる
最後に言葉に詰まる場合はどうすべきかについて説明しましょう。
ネタも思いついたし、原稿も書いた。
話の流れも伝えたいこともまとまっていると思ってたのに
いざ話してみると言葉がうまく出てこない・・・。
この場合、書き言葉⇒話し言葉を意識してみてください。
書き言葉で作られている原稿を覚えようとすると
普段のご自身の話している言葉とは違うので
内容は理解していてもうまく言葉にならない
ということがあります。
もしスピーチで言葉に詰まったことがある方は
あなたの普段の話し方に近づけて原稿を直してみてください。
スピーチのやり方
本章では前章の内容を踏まえ、
スピーチ初心者に向けた
スピーチの準備の仕方をご説明しています。
- スピーチの文字数1分間に約300文字
- ネタ、テーマ、メッセージを決める
- スピーチのネタは原理・歴史・由来・根拠を調べる
- 「個人的な話から聞き手全員の話へ」で原稿を作成する
- 声に出して文章を校正する
スピーチの文字数1分間に約300文字
スピーチの文字数は大体1分間に300文字程度にしましょう。
大体書いてあるものを休みなく読み上げると
400文字程度になります。
300文字はかなりゆっくり読むことになります。
そしてゆっくり読むときに全体のペースを下げるだけだと
だらっとしたスピーチになってしまいます。
300文字にするためには適切な間と強調があることです。
感情がこもった話し方だと自然と300文字になります。
どこで間をあけるか
どこを大きくするか
どこを声を殺して話すかなど
抑揚のポイントを決めておくと
自然の適切な文字数のスピーチになります。
ネタ、テーマ、メッセージを決める
次にすべきなのはスピーチのゴールを決めることです。
この3つがスピーチの骨組みとなります。
- ネタ=話のきっかけ
- テーマ=なにについて話すか
- メッセージ=伝えたいことor促したい行動
それぞれ説明します。
ネタ
ネタは話のきっかけと考えると分かりやすいです。
「最近〇〇をした」「先日〇〇に行った」など
まず何について話すかを決めます。
そしてそこからの学びや小話などに
広げていきます。
テーマ
テーマは何について話すかです。
テーマによってネタの切り取り方が変わってきます。
例えば、釣りをネタとすると、
テーマが集中力や継続力なら
釣りの待っている間の焦りや葛藤なるかもしれませんし
テーマが自然についてなら
釣りをしている環境の話になるでしょう。
メッセージ
メッセージは最終的なスピーチの結論です。
聞き手に何を伝えたいかがメッセージとなります。
このようにネタ・テーマ・メッセージが決まると
スピーチの入口・出口・道筋が固まります。
スピーチがとても作りやすくなりますので
ぜひ試してみてください!
スピーチのネタは原理・歴史・由来・根拠を調べる
そうは言ってもスピーチのネタは皆さんお悩みかと思います。
そうした方におすすめなのは原理・歴史・由来・根拠を調べることです。
ふと気になったことに対して原理・歴史・由来・根拠をググってみると
それだけで話が広がります。
スピーチすることが決まってからの間だけでも
この4つを調べるようにしてみてはいかがでしょうか。⇒スピーチ ネタ
「個人的な話から聞き手全員の話へ」で原稿を作成する
実際にスピーチ原稿を作り始めるときは
「個人的な話しから聞き手全員の話へ」広げることを
意識しましょう。
- 個人的な話を伝えることで想像しやすくする
- 聞き手全員の話へ広げることで自分ごと化する
今回、個人⇔聞き手全員としたのは分かりやすいからです。
この方法は
「具体的な話から抽象的な話へ広げる」戦略の1つなのですが、
私自身スピーチを考えるときに具体的や抽象的と言われてもよくわかりませんでした。。。
そこで個人的な話と聞き手全員の話とすると
すらすら考えることができたので
スピーチ慣れしてない人に進めたいやり方です。
声に出して文章を校正する
最後にスピーチで言葉につまらないようにするための方法をご紹介します。
ズバリ「声に出して校正する」です。
ご自身の慣れた言い回しや
気持ちが入った時に出る言葉があると思います。
そうした言葉に原稿を修正していくことで
自然と感情がこもったすばらしいスピーチになります。
まとめ
今回はスピーチについてまとめました。
スピーチは学べば学ぶほど奥が深いし
使える場所もたくさんあります。
またスピーチがうまくなるためにも
ライティングや演技など
色々な知識を学ぶきっかけにもなります。
ぜひ楽しんで学んでみてください。
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