プロダクトやサービスを作りこんでいく過程でユーザーのことを調査・理解する必要が出てくるかと思います。その中で今まで見えていなかったお客様の本質的な悩みに気づいた時はとてもうれしいですよね。
お客様のことを深く理解して、それをサービスへ反映させていく。
これを仕事に出来たらと調べていると『UXリサーチャー』という職種が出てくるかと思います。
今回はそんなUXリサーチャーのことをご説明していきます。
- UXリサーチャーとはどんな仕事
- UXリサーチャーの仕事内容5つ
- UXリサーチャーに向いている人とは
- 未経験からUXリサーチャーになるには
- UXリサーチャーになるためのおススメ転職エージェント5つ
UXリサーチャーとはどんな仕事?
UXリサーチャーとは企画開発の起点となる仕事
まずUXリサーチャーとはどんな仕事なのでしょうか。
パーソルキャリアのUXリサーチグループのミッションをご紹介します。
「ユーザーを深く理解し、企画開発の起点をつくる」
このようにユーザーの理解するための調査をして、企画開発の起点となる役割がUXリサーチャーです。
具体的には「どんな人が」「何を考え」「何を感じて」「どう行動するか」を明らかにして、それを企画開発の人たちへ伝えて、最終的にサービスやプロダクトへ反映させるお仕事です。
数年の経験で年収が一気に高くなる仕事
次にUXリサーチャーの年収について見ていきましょう。
年収に関する最も情報は厚生労働省の賃金構造基本統計調査が参考になるのですが、UXリサーチャーのデータがないので参考値をお伝えします(もし他の職も検討している場合は上記を参照してみてもよいかもしれません)。
傾向として、未経験と経験者で大きく異なります。
未経験の場合は300万円~400万円前後からスタートする場合が多いようです。
これが2年や3年程度の経験を積むと一気に500万円を超える求人が出てきます。
UXリサーチャーという職が比較的新しいため、早期に高年収にたどり着きやすい職といえるかもしれません。
裁量が大きくなりやすい仕事
またUXリサーチャーは裁量が大きくなりやすい仕事です。
MeasuringU社がUXに関わる3つの仕事(デベロッパー、リサーチャー、デザイナー)の人数比率を調査しました(引用記事:WHAT IS THE TYPICAL RATIO BETWEEN DESIGNERS AND DEVELOPERS?)。
その結果UXリサーチャー1人に対して5人のUXデザイナー、20人のディベロッパーがいるという構成となりました。
つまりUXリサーチャーはチームやプロジェクトを少数で進めることが基本となり、早い時期から裁量が大きくなりやすい仕事だといえます。
UXリサーチャーの仕事内容5つ
次にUXリサーチャーの仕事内容を見ていこうと思います。UXリサーチャーには大きく5つの仕事があります。
<UXリサーチャーの仕事内容5つ>
- 調査企画
- 調査対象者との調整
- 調査の実施
- 調査結果のまとめ
- チームへのフィードバック
調査企画
まずは調査の企画です。この調査は何を目的にして、誰に対するどんな調査を行うか。そのアウトプットは何が出てくるか。費用はいくらかかるか。などUXリサーチの全体設計を行います。
ここでは「なぜその調査が必要なのか」をロジカルに説明する必要があります。
調査対象者との調整
次に調査対象者との調整業務があります。
インタビューやテスト、アンケートなどを受けてくれる人の調整作業となります。
具体的には、対象者の選定や連絡、日程調整などがあります。
業者にお願いすることも出来ますが、その場合は業者とのやり取りが発生します。
調査の実施
次に調査を実際に行います。
インタビューなら質問、ユーザビリティテストなら観察をします。
質問内容や何を観察するかを練り上げておかないと沈黙になったり、テストの時間が一瞬で過ぎてしまうので注意します。
調査結果のまとめ
実施した調査結果をまとめます。
事実からインサイトを導いて、それを次のアクションに繋げます。
チームへのフィードバック
調査はプロダクトやサービスをよくするために行います。
そこでUXリサーチの部隊だけでなく、UXデザイナーやエンジニア、マーケターへフィードバックする必要があります。
一般的にはプレゼンの形を取る場合も多いですが、他にもワークショップや調査に同席してもらうことでユーザーの生の声を直接聞いてもらったりもします。
UXリサーチャーに多い職種3つ
UXリサーチャーは比較的新しい職種です。したがって、元々違う職種の人が新たなキャリアとして選んでいたりします。そこで本章ではUXリサーチャーに多い、元々経験していた職種を3つご紹介します。
<UXリサーチャーに多い職種3つ>
- マーケター
- 商品企画
- プロダクトマネージャー
マーケター
まず1つ目はマーケターです。
よくマーケティングリサーチとUXリサーチは似ていると考えられるように、やっていることも似ている場合があります。
もちろん個人を対象にするUXリサーチと集団の属性を考えるマーケティングリサーチは異なりますが、アンケートやインタビュー等の調査で似ている部分があり、マーケターからUXリサーチャーへ転職する方も多いようです。
商品企画
2つ目は商品企画などの企画職です。
企画職はマーケターがおこなうようなアンケート、インタビュー、ユーザビリティテスト等も行いますし、リサーチで得た示唆をサービスやプロダクトに落とし込むこともするのでUXリサーチとUXデザインまで経験していることも多いです。
そのため次のキャリアとしてUXリサーチを選ぶ方もおります。
プロダクトマネージャー
3つ目はプロダクトマネージャーのようなプロダクトや事業全体を見るような職種です。事業企画なども当てはまります。
サービスやプロダクトをよくするためにはお客様が「何を感じているか」「何を考えているか」の理解が不可欠です。必然的にUXリサーチを経験しやすい職種です。
UXリサーチャーに向いている人とは
次にUXリサーチャーに向いている人はどんな人なのかをご説明していきます。
具体的には以下の3つの特徴がある人が向いているといえます。
- 人の気持ちや思考を考えるのが好きな人
- 物事の本質を突き詰めて考えるのが好きな人
- チームで仕事を進めるのが好きな人
人の気持ちや思考を考えるのが好きな人
1つ目は人の気持ちや思考を考えるのが好きな人です。
UXリサーチの対象はあくまで個人です。
そしてやることは統計的な分析も行いますが、その先にあるお客様が「どう思っているか」や「どんな感情を抱いているか」などの潜在的な部分を調べる仕事です。
したがって人が「今何を考えているか」や「何を感じているか」、「その人はどんなひとなんだろうか」といったことを想像するのが好きな人が向いています。
物事の本質を突き詰めて考えるのが好きな人
2つ目は物事の本質を突き詰めて考えるのが好きな人です。
突き詰めて本質を見抜くためには事実を積み重ねて、今まで見えていなかった新しい発見を導くのが好きな人が向いています。
すなわり論理的に考えるのが好きな人、論理的に考えられるようになりたい人です。
チームで仕事を進めるのが好きな人
そして3つ目はチームで仕事を進めるのが好きな人です。
UXリサーチは調査して終わりではなく。調査結果をエンジニアやUXデザイナーに伝えて、最終的にはプロダクトやサービスに反映させてこそ意味があります。
こうした様々な役割の人とコミュニケーションを図りながら仕事を進めていくのが好きな人、そうなりたい人に向いている仕事と言えます。
未経験からUXリサーチャーになるには
それでは次にUXリサーチャーになる道筋についてご説明します。
特に未経験からでも進める道のりを7つご紹介します。
- まずは社内でUXリサーチを始めてみる
- 事業の立上げフェーズに参画する
- プロダクトマネージャーになる
- 企画/マーケティング職に就く
- SIerの上流工程に入る
- 自社サービスを展開するIT企業に入る
- コンサルティング業界に入る
まずは社内でUXリサーチを始めてみる
まず最も手っ取り早いのが今の会社でUXリサーチを始めてみることです。
既存のお客様や想定されるターゲットに話を聞きに行く方法はないでしょうか。
そこから何か発見があればUXリサーチの第一歩です。
もし社内でまだ誰もしたことがないようなら、自分の業務の中で少しずつ始めてみましょう。
事業の立上げフェーズに参画する
2つ目は事業の立ち上げフェーズの会社・部署に行くことです。
事業自体が変化している最中で、人数もまだ少なく、役割が流動的なら必然的にUXリサーチをすることになります。
私も事業の立ち上げフェーズに営業として参加していましたが、お客様から伺ったお話をまとめてエンジニアへ反映し、プロダクトの改善をした経験があります。
このように立ち上げフェーズだと職種に関係なく、UXリサーチを経験することができます。
プロダクトマネージャーになる
3つ目はプロダクトマネージャーになることです。
これは2つ目の「事業の立ち上げフェーズに参画する」と近いですが、プロダクトマネージャーになると必然的にユーザーについて知る必要が出てきます。
もしあなたがすでに役職者であったり、プロダクトマネージャーになるチャンスがあるときは逃さないようにしましょう。
企画/マーケティング職に就く
4つ目は企画/マーケティング職に就くことです。
これは前章でもご説明したようにUXリサーチ、UXデザインが業務に含まれていることがあるからです。
ただしUXリサーチをするためには、特に集客ではなく、プロダクトやサービスを作りこむ仕事に近い求人を選ぶようにしましょう。
SIerの上流工程に入る
5つ目はSIerの上流工程に入ることです。
少し意外かもしれませんが、SIerの上流工程ではお客様の動きを分析する工程が含まれます。そしてそれがまさにUXリサーチの経験となります。
例えば、業務システムの場合は、お客様から開発の案件をいただいた際、まず要件定義を行います。
この時、業務フローの分析をして、業務の中の問題点を明らかにします。そしてその業務をどう変えるべきかを考えてから、システムでの実現方法を検討します。
業務フローの分析では、お客様の実際に仕事している現場に張り付いて観察したり、普段使っている帳票から仕事の流れを把握したりします。
もし開発に近い仕事についているなら上流工程の仕事も行うことでUXリサーチの経験を積むことができます。
自社サービスを展開するIT企業に入る
6つ目は自社サービスを展開するIT企業に入ることです。
「UXリサーチ 求人」で検索してもらうと分かるのですが、募集している企業のほとんどが自社サービスを展開している企業です。
こうした企業で自社サービスの企画やマーケティング、プロダクトマネジメント等の仕事につくと必然的にUXリサーチを経験しやすくなります。
反対にUXリサーチャーを募集している企業でも顧客にUXリサーチを提供しているような会社はある程度の経験が求められる場合が多いです。
コンサルティング業界に入る
7つ目はコンサルティング業界です。
コンサルタントはインタビューやアンケートなどの調査を行う機会が非常に多いです。
またロジカルシンキングも鍛えられるので一石二鳥です。
もしあなたが目指すキャリアがUXリサーチを経て、より上流の戦略的なところを目指すのであれば検討してみてはいかがでしょうか。
UXリサーチャーになるためのおススメ転職エージェント5つ
それでは最後にUXリサーチャーになるためにおすすめの転職エージェントを志向性/経験別で7つご紹介します。
前章でご説明したようにUXリサーチャーになるには様々な道筋があります。
エージェントに「UXリサーチャーで探している」と伝えて探してもらう方法もありますし、「UXリサーチの仕事も出来そうな職を探している」と伝えて、今までの経験や今後UXリサーチ以外に身に着けたいスキルとの掛け算でキャリアを考えても良いでしょう。
また複数の選択肢がある方や、自身がどの位置にいるかわからないという方は複数のエージェントで聞いてみるのも1つの方法です。
ただしどちらにせよ本当に「転職したい」「やめたい」となってから探すと納得がいくところの内定をもらうまで3カ月以上かかってしまう場合も多く、その間の仕事はツラく感じてしまいがちです。
なのでまだ気持ちに余裕があるうちに早めに聞いてみておくと自分の立ち位置が分かるので次のキャリアを考えやすくなります。
- UXリサーチャー、自社サービス|レバテック
- マーケティング|株式会社マスメディアン
- 企画|リクナビ
- SIer|社内SE
- コンサル|アクシスコンサルティング
UXリサーチャー、自社サービス|レバテック
UXリサーチャーの仕事や自社サービスでUXリサーチに近い仕事に就くならレバテックキャリアがおすすめです。
なぜならレバテックキャリアはIT・Web転職特化エージェントだからです。
ITやWEBの業界に広いネットワークを持っているので、あなたのスキルや経験に合わせたUXリサーチの仕事や自社サービスを進めているような会社を紹介してくれます。
マーケティング|マスメディアン
2つ目はマーケティング強いエージェントのマスメディアンです。
宣伝会議のグループ会社であり、WEBや広告の業界に強いエージェントとなっています。
ご自身の経験や望む道がUXリサーチ×マーケティングであればマスメディアンに聞いてみてはいかがでしょうか。
企画|リクナビNEXT
3つ目は企画系の仕事です。
こちらはリクナビがおすすめです。
なぜなら商品企画などの企画職は大手で採用しているポジションであることが多く、リクナビは最大規模のエージェントのため大手との取引も多いからです。
特に非IT企業でUXリサーチのスキルを高めたい方はリクナビに聞いてみましょう。
SIer|社内SE転職ナビ
3つ目はSIerでのキャリアを考えたい方向けのエージェントをご紹介します。
社内SEです。
社内SEはその名の通りSE特化型のエージェントです。SEの中でも上流の設計や要件定義工程が出来そうなポジションがあるか聞いてみましょう。
コンサル|アクシスコンサルティング
コンサル業界でUXリサーチの経験を積みたい場合はアクシスコンサルティングにご相談してみてはいかがでしょうか。
コンサル転職支援No.1であり、書類や面談の対策も含めて対応してくれます。
まとめ
今回はUXリサーチャーについてまとめました。いかがだったでしょうか。新しい職種な分情報が少なかったりイメージがわかないかと思い丁寧に説明してみました。