ステップメールは登録してくれた読者に自動的に複数のメルマガをこちらで決めた頻度で配信するものです。
ステップメールを使いこなすと工数をかけずに売上が上がる理想的な仕組みを構築できます。
そうした理想的な状態にたどり着くために最も大切なことが”効果検証”です。
適切な目標を設定し、その目標に対して正しい測定をして、その結果を分析し、修正していくことが最も最短のステップメールの成功ルートであり、王道です。
本記事では効果検証を軸にして3つの章でお話しします。
- ステップメールの作り方は4ステップ
- ステップメールの作り方は4種類
- ステップメールの作り方の4つのポイント
ステップメールの作り方は4ステップ
ステップメールの作り方は大きく4つのステップで実施されます。
- 目標を決める
- シナリオを作成する
- 効果測定のインフラを整える
- メールを作成する
以下で順に説明していきます。
目標を決める
まず目標を決めます。ステップメールを最後まで読んでくれた人に取ってほしい行動を考えます。
すなわちKGI(Key Goal Indicator)を設定します。
ゴールから逆算することで、この後のステップの結果がゴールに対してうまくいっているかを図れるようになります。
また全てのステップの結果が予想通りなのに目標に到達しない場合は目標が間違っていることになります。
意外に目標設定のずれというのはよく起こるのですが、その検証も含めてゴールの明確化が大切になります。
例えば、自転車を組み立てる場合、自転車の完成形を知っているからうまく組み立てられます。
反対に一つ一つの部品の組み合わせだけを知っていても動く自転車にはなりません。
ゴールを知っているからこそ適切にそれぞれの部品を修正できるのです。
また、テニスの試合に勝ちたいときに、セカンドサーブの確率を上げるのか、ストロークのミスを減らすのか、ボレーの決定率を上げるのか。
大目標に対する数値目標がどうなっているのかを正確に把握することが成果を出す第一歩であり、影響が少なかったら素早く修正することが必要です。
シナリオを作成する
次にシナリオを作成します。
シナリオとは
何通のメールで配信するか。
そしてそれぞれのメールの前後で読者の考え方をどう変えるかの定義です。
これを”パーセプションチェンジ”と言います。
マーケティングにおいて重要な考え方ですので、これを機に覚えておきましょう。
読者の考え方の定義なんて必要なの?と思われるかもしれませんが、これが全てです。
「何となく興味をもってステップメールに登録した読者が最終的に購入してくれる」
もし興味⇒購入を実現しようとすると、その間に読者に理解してもらう必要があるのは、以下のようなことです。
- 「うまくいった未来」
- 「このままでは現実は変わらない」
- 「今すぐ始めないと”まずい”理由」
- 「あなたがその”未来”を読者に提供できる理由」
- 「具体的なアクション」…etc
段階的に考え方を変えながら最終的な”購入”に到達します。
そしてそれぞれのステップでの読者の”考え方”がどうなっているのか。
を理解していればあなたは成功しますし、分かっていなければあなたは成功しません。
例えば、海外に語学留学をしたいと思ったとしたら、
- どこの国がいいのか・なぜいいのか、
- どういう方法・学校で学ぶのか、
- 費用はいくらかかるのか、
- 必要な手続きは何か…etc
知識や行きたい気持ちが大きくなっていくほど、知りたい内容が変化してくるはずです。
だからこそパーセプションチェンジを定義するのは非常に大切なのです。
シナリオに関しては
ステップメールのシナリオは”パーセプションチェンジ”がすべて | 新規事業開発ノートで詳しくご説明しているのでご覧ください。
効果測定のインフラを整える
シナリオが出来上がったら効果測定のインフラを整えます。
メルマガ配信サービスを使うのが一般的です。
具体的にはステップ数、配信日時を設定し、開封率、クリック率を測定します。
また他のことに興味がある読者には別のステップメールを配信する。
のように条件分岐を設定するのもこのタイミングで行います。
Aというアクションをした場合には別のコンテンツに興味があると判断し、別のステップメールを配信するといった流れです。
「測定なんてしなくても何となく分かるよね?最初はとにかくやってみないと」
と思われる気持ちも非常に理解できますが、少しだけお待ちください。
他の全てのメールがいい反応を見せていて、1通だけ反応が悪い場合はその1つを直せばいいですよね。
このようにメールマーケティングは地道な測定と修正を繰り返すものです。
例えば、登録者がいくら多くても成約が少ない場合はリストの質が問題かもしれませんし、
登録者の質がいいのに成約につながらない場合はステップの分割が間違っているかもしれません。
顕在顧客と潜在顧客、それぞれにどういったアプローチなら最終的に購入につながるのか。
あくまで数値的に、科学的に測定と修正をしていくのがステップメールのポイントです。
メールを作成する
最後のステップはメール文面の作成です。
件名と結論、誘導先を意識して作りましょう。
件名を工夫することで開封率が変わります。
読者の目に留まる1文を意識して作りましょう。
いわゆるコピーライティングと呼ばれるものです。
結論とは”そのメールで伝えたいたった1つのこと”です。
1メール1メッセージと言われるように、たった1つのことを伝えることだけを意識しましょう。
そしてその他の内容は一切含めないようにします。
1500文字程度で言いたいことだけを伝えるようにしましょう。
3つ目に誘導先です。
誘導先とはリンクのことです。
ホワイトペーパーのダウンロードページやインタビュー記事の場合もありますし、
販売サイト決済ページに飛ばす場合もあります。
売り込みではなく「こうしたものを提供できます」と事実を伝えるようにしましょう。
以下で詳細を説明しています。こちらも併せてご覧ください。
メルマガの開封率が上がる3つの数字|この3つを理解していないとどれだけやっても効果が出ない | 新規事業開発ノート
ステップメールの作り方は4種類
次にステップメールの作り方の種類をご説明します。
大きく4種類があります。
- 販売
- 教育・ノウハウ
- 自己開示
- アフターフォロー
具体的なシナリオに関してはこちらの記事でご説明しております。
ここではどの数値を目標にするかについてご説明していきます。またここでは全て”率”を目標にしています。
なぜなら数は登録数に依存し、ステップメールの質には依存しないからです。
こちらではあくまでステップメールの質を高める事に対する方法をご説明します。
それぞれの具体的なシナリオに関してはこちらの記事でご説明しております。
販売は成約率と関連するパーセンテージ
1つ目は販売を目標にするステップメールです。
「うまくいった場合はどうなるか」を知ってもらって
「そのためにどうしたらいいのか」
「なぜその方法なのか」などを段階的に説明します。
段階的に興味を持ってもらい最終的に購入につなげる流れを作ります。
販売では最終的に”成約率”を目標とします。
そして”成約”につながるページへの”遷移”や大切なメールの”開封”などを計測し、
どの数値が成約につながるかを分析します。
意外とたった1ページへの遷移率が成約率に直結する場合も多いので数値化して考えるようにしましょう。
例えば「お客様の声」が購入の決め手になることがあります。
つまりそのお客様の声のページへメールからいかに遷移させるかが課題となるわけです。
こうした段階的な購入までのステップはランディングページの構成が参考になります。
ランディングページは『構成』が全て!?売り上げに直結する構成の作り方!
教育・ノウハウは問い合わせの質と量
2つ目は教育やノウハウに関してです。
販売と比べてより潜在的なお客様に対してのアプローチになります。
販売ステップメールで顕在顧客を刈り取って、さらに売上を増やしたい場合に有効なシナリオです。
教育・ノウハウに関しては問い合わせを目標とします。
問い合わせは数と質の両方を精査します。
その先につながる問い合わせを作るという”質”の観点と興味+行動までつなげる”量”の部分があります。
例えば、いくら問い合わせが多くても
その問い合わせてくれる人が法人向けと個人向けでずれていれば絶対に成約には至りません。
このようにターゲットがずれている場合があります。
また、いくら質が高くても問い合わせ数が少なければ売上にはつながりません。
教育・ノウハウ⇒販売という役割を達成できるよう構築しましょう。
自己開示はフォローや問い合わせ
3つ目は自己開示です。
ステップメールならばあなたのことをお伝えしてファンになってもらうためにも活用できます。
この場合はSNSアカウントのフォローやメディアのブックマーク、教育・ノウハウのステップメールへの遷移などがあります。
ノウハウに興味を持つタイプの人と、人に興味を持つタイプの人がいます。
そして人の信頼があって初めて商品やノウハウに興味を持つタイプの人には有効な手段です。
例えば、人に依存するコンサルティングや教育系の商材には有効です。
その他の商材でもご自身を知ってもらえるのはビジネスにとって非常に有効です。
ただし登録のさせ方によっては売り込み感や嫌味な感じを受けてしまうので入り口だけは工夫しましょう。
アフターフォローは離脱させずにアップセル・クロスセル
4つ目は購入後のアフターフォローです。
実は購入後が次のセールスや離脱を防ぐために最も大切なタイミングです。
そこで測定すべき数値は離脱率・クロスセル/アップセル率です。
ECなら発送の連絡やお届け後の確認、キャンペーンなどが有効です。
ソフトウェアなら導入のためのステップや使い方等をお伝えして離脱を防ぎます。
またこのタイミングで商品の開発秘話や自分たちのことを紹介するのも有効です。
ステップメールの作り方の4つのポイント
最後にステップメールを作るうえで押さえてほしい4つのポイントをご説明します。
- ターゲットリサーチ
- パーセプションチェンジ
- 効果測定
- 条件分岐
ターゲットリサーチで課題を選定する
1つ目はターゲットのリサーチを徹底的に行うことです。
ステップメールを作るうえでターゲットの理解が全てと言ってもいいくらい大切です。
- ”自社の商材のターゲットが誰か”
- ”そのターゲットの課題は何か”
ターゲットニーズの理解がステップメールの成否を分けます。
それだけターゲットのリサーチは大切です。
ターゲットのリサーチにはキーワード調査や知恵袋、SNSなどを使います。
どんなキーワードで検索しているかや、どんな悩みを知恵袋に投稿しているか、SNSでの投稿内容は潜在ニーズの選定に役立ちます。
こうしたものを使いながら、ターゲットの悩みを徹底的に掘り下げます。
もちろん直接のヒアリングのような1次情報は最も有効です。
ありとあらゆるニーズをリストアップし、その中で可能性が高そうなものから順番に消していくようにステップメールを構成しましょう。
パーセプションチェンジ(考え方の変化)に伴うアクション
次にパーセプションチェンジを定義することです。
パーセプションチェンジとは読者の考え方がコンテンツの前後でどう変わるかです。
ステップを分割するとついすぐにコンテンツを作り始めてしまいがちですが、その前に考え方の定義を先にしましょう。
考え方を定義せずにコンテンツを作ってしまうと、コンテンツが悪いのか、そもそもの定義が悪いのかを検証できないからです。
例えば、ネット広告に興味を持った人に
いきなり運輸代行会社が必要だということを説明しようとしても、
遠すぎて成約にはつながりません。
そうではなくて、ネット広告に興味を持った人に
ネット広告が自分たちに有効だと感じてもらうことを目的とし、
ネット広告をうまく運用した事例のコンテンツは有効だと考えられます。
このようにパーセプションチェンジの定義が明確であれば、
あとはコンテンツの磨き上げでいいのです。
パーセプションチェンジの定義を作りこみましょう。
効果測定はメディア連携で効果を倍増させる
3つ目は効果測定に関することです。
今までご説明してきたように「効果測定のインフラを整える」、「目標を数値化して測定と修正を繰り返す」のは大切です。
ここではさらに遷移先と売上に関するお話をお伝えします。
ステップメールを配信する時にはぜひブログ・オウンドメディアと販売サイトを連携させましょう。
なぜならOne to Oneマーケティングをしやすいからです。
Ont to Oneマーケティングとは顧客それぞれの興味関心に合わせたマーケティングのことです。
ブログ・オウンドメディアと販売サイトとステップメールの組み合わせはそれぞれの顧客に合わせたマーケティングを自動化することができます。
例えば、各商品ごとの販売ステップメールと教育・ノウハウ系のステップメールを用意します。
そして教育・ノウハウ系のステップメールでブログ・オウンドメディアへの導線を用意し、そのクリック毎に各商品に対する販売ステップメールへの条件分岐させます。
そうすることで幅広い見込み客(教育・ノウハウ系)を
各商品ステップメール(販売)へ、それぞれのお客様の興味に合わせて流すことができます。
ブログ・オウンドメディアで何をするかというと、
インタビュー記事(お客様の声)やホワイトペーパーなどでどんなことに興味があるかを調査します。
そしてステップメールと販売サイトを繋いで、
販売サイトに訪問したお客様に対して、販売サイトでは伝えきれなかった商材や会社、あなたの魅力をお伝えします。
開発秘話やお客様の声の中でもマニアックなもの、
購入後の操作や導入に関する不安の解消などがあります。
条件分岐はアクションの定義と返報性の法則
最後に条件分岐させるきっかけについてもう少し詳しくお話ししていきます。
どのアクションが条件分岐のきっかけであるとみなすかを定義します。
具体的には
- ホワイトペーパーのダウンロード
- 無料トライアルの申し込み
- 試供品の申請
- セミナーの参加
などです。
2つポイントがあり、
1つ目は判断をしやすいアクションを定義すること。
2つ目はそれに見合ったコンテンツを用意することです。
1つ目は判断しやすいアクションを定義することとは
読者が”何に” ”どれくらい”興味があるのかを判断しやすい基準を設定することです。
例えば『ホワイトペーパー』を発行して、
ダウンロードする際にアンケートに答えてもらうなど、
手間がかかることをセットにすると、どれだけその事柄に興味があるかを図れます。
そこまでしてでも手に入れたいのであれば、きっと商品にも興味を持ってくれるだろうという判断基準になります。
2つ目のそれに見合ったコンテンツとは「無料でも一切手を抜かない」ことです。
お客様に「無料なのにこんなことまで教えてくれるの」と感じさせることで
”返報性の法則”としてお客様にいいイメージを与えることができます。
具体的にはノウハウを伝えるなら行動ができるまで、
試供品なら効果を実感していただけるまでの種類や分量を提供します。
なぜなら見込み客が一番お金を払おうと考えるタイミングはすでに成果を実感した時だからです。
「この人の話を実行したらうまくいった」、「この会社の試供品で効果が出た」というのがあればお客様は喜んでお金を払ってくれます。
まとめ
以上がステップメールの作り方です。効果検証を意識するだけで組織的にマーケティング活動を行う際も数字で語れるので説得力が増します。
ぜひこうした考え方を抑えたうえで、ご自身のお仕事で力をいかんなく発揮してください。
またこうした測定とステップメールの設定、条件分岐に際して配信サービスをご紹介します。
これからステップメールを始めるのであればBlastmailがいいです。
法人シェアNo.1であり、価格もお手頃、設定も難しくないのに機能は十分です。
高価格帯の細かい分析機能があるツールもありますが、使いこなすためのノウハウ習得が大変です。
むしろ使いやすいツールから初めて物足りなくなって初めてより高機能なツールに移行したほうがうまくいきます。
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