Difyがすごいという話を最近よく聞きませんか?
「エンジニアじゃない自分には関係ない、面倒くさそうだし」
やり手社員そう思ってスルーしてしまうのは、実はとてももったいないことです。
Difyは何がすごいのか。一言で言えば、「自社の業務に特化した専用AIアプリ」を、プログラミングなしで誰でも作れる点にあります。
この記事では、Difyでできることを具体的な業務シーンとセットで解説します。社内マニュアルを一瞬で検索するチャットボットや、面倒な定型業務を全自動化するワークフローなど、非エンジニアの実務者こそ知っておくべき活用法を5つのポイントに絞って紹介します。
Difyは何がすごい?非エンジニアでもAIアプリが作れるプラットフォーム
最近、ビジネス系のメディアやSNSで「Dify」という名前を見かける機会が増えてきました。AIに興味はあるけれど、具体的に何がすごいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。このセクションでは、Difyの基本的な仕組みと、多くの人がすでに使っているChatGPTとの違いを整理します。
Difyとは、ノーコードで自社専用AIが作れるオープンソースツール
Difyは、プログラミングなしで自社専用のAIアプリを作れるプラットフォームです。画面上に用意されたブロックをドラッグ&ドロップで配置し、線でつなぐだけで、AIを使ったチャットボットや業務ツールを組み立てることができます。
オープンソースとして公開されているため、無料で使い始めることも可能です。クラウド版ならアカウント登録をするだけですぐに利用でき、サーバーの準備や環境構築といった面倒な作業も不要です。
Difyが注目される理由は、従来であればエンジニアに依頼しなければ作れなかったAIツールを、業務をいちばんよく知っている現場の担当者自身が作れる点にあります。マーケティング、営業、人事、総務など、日々の業務でAIを活用したいと考えている方が、自分の手でそれを形にできる環境が整っています。
ChatGPTとDifyの違い:使うだけか、自分で作るか
ChatGPTはすでに多くの方が使っている便利なAIツールです。質問すれば回答が返ってきますし、文章の作成や翻訳にも活躍します。ではDifyは何が違うのでしょうか。
分かりやすく例えると、ChatGPTはレストランで料理を注文するようなものです。メニューの中から選べば、すぐにおいしい料理が出てきます。一方Difyは、自分のキッチンを持つようなイメージです。好きな食材を選び、自分好みの味付けで、自分だけのレシピを作ることができます。
具体的な違いを挙げると、ChatGPTでは毎回プロンプトを入力する必要がありますし、出力の形式やトーンが安定しないこともあります。また、社内の機密情報やマニュアルをChatGPTに直接読み込ませて活用するのは難しいのが現状です。


Difyでは、あらかじめプロンプトや回答のルールを設定しておけるため、誰が使っても同じ品質のアウトプットが得られます。さらに、自社の資料やデータをAIに組み込むことができるため、自社の業務に特化した専用ツールとして機能します。つまりChatGPTが万人向けの汎用ツールであるのに対し、Difyは自社の業務にぴったりフィットするAIツールを自分で作るための土台です。



ここからは具体的にDifyで何ができるのかをご説明します。
Difyできること①:社内ナレッジをまるごとAIに覚えさせて瞬時に引き出せる
Difyでできることの中で、多くの企業がまず驚くのがこの機能です。社内に散らばっているマニュアル、規程、過去の資料といったナレッジを、AIにまるごと覚えさせることができます。覚えさせた情報をもとにAIが回答してくれるため、資料を探す時間が劇的に減ります。
RAGとは?社内情報をAIの回答に反映させる仕組み
この機能を支えているのがRAGという技術です。専門用語なので難しく聞こえるかもしれませんが、仕組みはシンプルです。
通常のAI(たとえばChatGPT)は、インターネット上の一般的な情報をもとに回答を返します。しかし、自社独自のルールや製品情報、社内手続きの詳細までは知りません。そこでRAGの出番です。
RAGを使うと、自社のPDFやWord文書、Webページなどをアップロードするだけで、AIがその内容を参照しながら回答を作ってくれます。いわばAIに自社の資料を読み込ませて、社内事情に詳しいアシスタントに育てるようなイメージです。
Difyではこの仕組みがあらかじめ組み込まれているため、ファイルをアップロードしていくつかの設定をするだけで、すぐに使い始められます。
業務で活きる具体シーン



1.何度も繰り返す作業である
2.誰が担当しても成果が変わらない
この2点に当てはまる業務はまさに自動化向きです。
社内マニュアル・規程の検索を一瞬にする
経費精算のルールを確認したいとき、出張申請の手続きを知りたいとき、これまではどうしていたでしょうか。おそらく社内ポータルを開いてPDFを探し、該当箇所をスクロールして見つけるか、総務やヘルプデスクに問い合わせていたはずです。
DifyでRAGを使ったチャットボットを作れば、チャット欄に「出張の際のホテル代の上限はいくら?」と入力するだけで、就業規則や経費精算マニュアルの該当部分を参照したうえで回答が返ってきます。何十ページもある規程集を毎回読む必要はありません。
問い合わせを受ける側の負担も大幅に軽くなります。総務部門やIT部門に寄せられる定型的な質問の多くをAIが処理してくれるため、担当者はより複雑な対応や判断が必要な業務に集中できるようになります。
新入社員からの質問対応をAIに任せる
新入社員が入るたびに、先輩社員は同じ説明を繰り返すことになります。勤怠の入力方法、備品の申請手順、社内システムへのログイン方法など、内容は毎回ほぼ同じです。教える側の工数はもちろん、新入社員側にも「こんな基本的なことを何度も聞いていいのだろうか」という心理的なハードルがあります。
Difyで社内のオンボーディング資料をAIに覚えさせたチャットボットを作れば、新入社員はいつでも気兼ねなく質問できます。AIは何度同じ質問をされても嫌な顔をしませんし、24時間いつでも対応してくれます。
先輩社員は繰り返しの説明から解放され、OJTの中でも本当に人が教えるべきこと、たとえば仕事の進め方やチームとのコミュニケーションの取り方など、人でなければ伝えられないことに時間を使えるようになります。
過去の提案書・事例を横断検索して再活用する
営業やマーケティングの現場では、過去の提案書や成功事例を参考にしたい場面がよくあります。しかし、数年分の資料がフォルダの奥深くに眠っていて、探し出すだけで30分、1時間とかかることも珍しくありません。ファイル名だけでは中身が分からず、一つひとつ開いて確認する作業になりがちです。
Difyに過去の提案書や事例資料を読み込ませておけば、「製造業向けのDX提案で成功した事例を教えて」と聞くだけで、該当する資料の内容を要約して教えてくれます。フォルダを掘り返す時間がゼロになるだけでなく、これまで気づかなかった関連事例を発見できる可能性もあります。
新しい提案を作るときに過去のナレッジを最大限に活用できるため、提案の質が上がり、準備にかかる時間も短縮されます。
Difyできること②:何時間もかかる定型業務をAIワークフローで自動化できる
毎週、毎月、決まったタイミングで繰り返している業務はないでしょうか。


情報を集めて整理する、データを分類してレポートにまとめる、問い合わせに返信するといった作業です。こうした定型業務を、Difyのワークフロー機能を使えばAIに自動で処理させることができます。
ワークフロー機能とは?複数ステップの処理をブロックでつなぐだけ
Difyのワークフロー機能は、このプラットフォームならではの強力な機能です。複数の処理ステップを、画面上でブロックとして並べ、線でつないでいくことで一連の業務フローを組み立てます。


たとえば「Webサイトから情報を取得する」「取得した情報をAIで要約する」「要約結果をメールで送信する」という3つのステップがあるとします。これをそれぞれブロックとして画面に配置し、順番に線でつなげば、一連の処理が自動で流れるようになります。
プログラミングは一切不要です。処理の流れを視覚的に確認しながら組み立てられるため、自分が何を自動化しようとしているのかが一目で分かります。途中に条件分岐を入れることもできるので、「この条件のときはAの処理、そうでなければBの処理」といった複雑なロジックにも対応可能です。
業務で活きる具体シーン
情報収集からレポート作成までを毎日自動で回す
競合他社の動向や業界ニュースを毎日チェックしてレポートにまとめている方は少なくないでしょう。この作業は必要不可欠ですが、毎日手作業で行うと膨大な時間がかかります。
Difyのワークフローを使えば、複数のニュースサイトやWebページから情報を自動で取得し、AIが内容を分類・要約してレポート形式にまとめ、指定した宛先に配信するという一連の流れを自動化できます。
ある企業では、27のWebサイトから情報を収集して月1回のレポートを作成していた業務に毎回17時間を費やしていました。これをDifyで自動化した結果、プロトタイプの完成まで約1か月、その後は約1,000人に向けて毎日自動でレポートを配信できるようになり、業務工数を約90%削減できたという事例があります。
問い合わせ受付から返信メールの下書き作成まで自動化する
お客様から問い合わせが届いたとき、担当者は相手の会社の情報を調べ、自分のスケジュールを確認し、適切な返信文を考えて送信するという一連の作業を行います。1件ずつ丁寧に対応するのは大切ですが、問い合わせが多い時期には対応が追いつかなくなることもあります。
Difyのワークフローなら、この一連の流れを自動化できます。問い合わせを受信したら、AIが相手企業の事業内容をWeb検索でリサーチし、カレンダーから空いている日程を取得し、相手の事業内容に合わせた提案を盛り込んだ返信メールの下書きを自動で作成するところまでを一気に処理できます。


単なるテンプレートの差し込みではなく、1社1社に最適化された内容をAIが生成するため、受け取った相手にも丁寧な対応として伝わります。担当者は下書きを確認して微調整するだけで済むため、レスポンス速度が大幅に向上します。
大量データの分類・要約を一括処理する
アンケート結果の分析、カスタマーレビューの分類、議事録の要約など、大量のテキストデータを読んで整理する業務は想像以上に時間がかかります。100件のアンケート自由記述を1件ずつ読んで分類していたら、それだけで半日が潰れてしまうこともあります。
Difyのワークフロー機能を使えば、データをまとめて投入するだけで、AIが内容を読み取り、カテゴリごとに分類し、全体の傾向を要約してくれます。100件のアンケート結果を手作業で分類していた作業が、数分で完了します。
分類の基準もあらかじめ設定できるため、担当者が変わっても一貫した基準で処理が行われます。結果の精度を確認しながら設定を調整していけば、回を重ねるごとに分類の質も向上していきます。
Difyできること③:自社ルールに沿ったメール・レポートをAIが自動生成してくれる
ChatGPTで文章を作ってみたものの、自社のトーンと合わなかったり、フォーマットが違ったりして結局手直しに時間がかかったという経験はないでしょうか。Difyなら、あらかじめ自社のルールやテンプレートを組み込んでおけるため、最初から自社仕様のアウトプットが得られます。
テキスト生成アプリで定型文書の作成時間を大幅に短縮
Difyではテキスト生成に特化したアプリを作ることができます。たとえば、営業メールの作成アプリを作る場合、「相手の業界」「提案したいサービス」「希望する打ち合わせ日程」などを入力欄として設定しておきます。営業担当者はこれらの項目を埋めるだけで、自社のトーンに合った営業メールが自動で生成されます。
同様に、週次報告書や議事録の要約、メルマガの文案、プレスリリースの下書きなど、定型的なフォーマットがある文書であればDifyで効率化できます。項目を入力するだけで完成度の高い文書が出てくるため、文章を考える時間を大幅に短縮できます。
ポイントは、出力される文章の品質が毎回安定していることです。経験の浅いメンバーが作っても、ベテランが作ったのと同じ品質のアウトプットになります。文書作成の属人化を解消できるのは、チーム全体の生産性にとって大きなメリットです。
ChatGPTとの違い:自社のトーンやテンプレートを組み込めるのがDifyの強み
ChatGPTで同じような文書を作ろうとすると、毎回プロンプトに「ですます調で」「500文字程度で」「当社のサービス名は〇〇で」と細かく指示を書く必要があります。しかも、使う人によってプロンプトの書き方が違えば、出力の品質にもばらつきが出ます。
Difyではプロンプトをアプリの中に事前に組み込めます。文体、トーン、構成、含めるべき情報、文字数の目安などをあらかじめ設定しておけるため、使う側は必要な情報を入力するだけです。毎回プロンプトを書く手間がなくなり、誰が使っても一定の品質が保たれます。
さらに、自社の過去の成功事例やベストプラクティスをナレッジとして組み込んでおけば、それらを参考にした出力も可能です。たとえば「過去に反応率が高かったメルマガの構成パターンを踏まえて新しい文案を作る」といった使い方もできます。
Difyできること④:ChatGPT・Gemini・Claudeを目的に応じて自由に使い分けられる
AIといえばChatGPT(OpenAI)が有名ですが、実はGoogleのGeminiやAnthropicのClaudeなど、特性の異なるAIモデルが複数存在します。Difyを使えば、これらのモデルを1つのプラットフォーム上で自由に切り替えて使うことができます。
なぜ複数のAIモデルを使い分ける必要があるのか
AIモデルにはそれぞれ得意分野があります。料理に例えると、和食が得意なシェフもいれば、イタリアンが得意なシェフもいるようなものです。すべての料理を一人のシェフに任せるより、得意なシェフに得意な料理を任せた方が全体の品質は上がります。
AIモデルも同じです。長文の丁寧な文章作成が得意なモデル、大量のデータを高速かつ低コストで処理できるモデル、分析や推論が得意なモデルなど、それぞれに強みがあります。1つのモデルだけを使い続けると、コストが必要以上にかかったり、特定のタスクで精度が足りなかったりすることがあります。
しかし、複数のAIサービスを個別に契約して使い分けるのは手間がかかります。それぞれ別の画面で操作し、別の料金体系を管理しなければなりません。Difyなら1つの画面上で複数のモデルを管理でき、用途に応じて簡単に切り替えられます。
タスク別のおすすめAIモデルの組み合わせ例
具体的にどう使い分けるのか、典型的なパターンを紹介します。
お客様向けのメールや提案書など、丁寧で読みやすい文章を作りたい場面ではClaudeが力を発揮します。日本語の自然さや文章の構成力に定評があり、ビジネス文書の作成に向いています。
大量のニュース記事やレビューを一括で要約したいなど、スピードとコストを重視する場面ではGemini Flashが適しています。処理速度が速く、1件あたりのコストも抑えられるため、大量処理のタスクに最適です。
汎用的な対話やちょっとした質問応答にはGPT-4oがバランスのよい選択肢です。幅広いタスクに安定した品質で対応できるため、社内チャットボットのベースモデルとして採用するケースが多く見られます。
Difyなら、これらのモデルをワークフローの中で組み合わせることも可能です。たとえば「最初のデータ処理はGemini Flashで高速に行い、最終的なレポート文面の作成はClaudeに任せる」といった使い方ができます。コストと品質の両方を最適化できるのは、複数モデルに対応しているDifyならではの強みです。
Difyできること⑤:作ったAIアプリをそのまま業務環境に組み込んで即運用できる
どんなに便利なAIツールを作っても、チームメンバーに使ってもらえなければ効果は発揮されません。Difyが優れているのは、作ったアプリを業務環境にそのまま組み込んで運用を始めるまでのハードルが非常に低い点です。
URLひとつでチームに共有、Webサイトへの埋め込みも数クリック
Difyで作成したアプリには、自動的にURLが発行されます。このURLをチャットやメールで共有するだけで、チームの全員がすぐにアプリを使い始められます。ソフトウェアのインストールもアカウント設定も不要です。
社内ポータルサイトやWebサイトにAIチャットボットを設置したい場合も、Difyが発行する埋め込みコードをページに貼り付けるだけで完了します。お客様向けのFAQボットを自社サイトに設置する、社内Wikiにナレッジ検索ボットを組み込むといった運用が、数クリックで実現します。
公開範囲の設定もできるため、社内専用にしたい場合は特定のメンバーだけがアクセスできるように制限することも可能です。作ったその日からチームで使い始められるスピード感は、現場主導でAI活用を進めるうえで大きなアドバンテージです。
Slack・Googleなど普段使いのツールとの連携も可能
Difyで作ったアプリは、普段使っているツールと連携させることもできます。たとえばSlackと連携すれば、Slackのチャンネル上で直接AIに質問できるようになります。わざわざDifyの画面を開く必要がないため、業務の流れを中断せずにAIを活用できます。
Google検索やGmailとの連携も可能で、情報の取得から返信の作成までをDifyのワークフローの中で完結させることもできます。その他にも、プラグインやAPIを通じて多数の外部サービスとの接続に対応しています。
こうした連携のポイントは、チームメンバーが新しいツールの使い方を覚える負担を最小限に抑えられることです。いつも使っているSlackやブラウザの中でAIが動いてくれるため、導入のハードルが格段に下がります。結果として、AIが一部の詳しい人だけのものではなく、チーム全体の業務インフラとして自然に定着していきます。
まとめ
Difyは、プログラミング不要で自社専用のAIアプリを作れるオープンソースのプラットフォームです。
- 社内ナレッジをAIに覚えさせて瞬時に引き出す
- 何時間もかかる定型業務をワークフローで自動化する
- 自社ルールに沿った文書をAIに生成させる
- ChatGPTやGeminiなど複数のAIモデルを目的に応じて使い分ける
- 作ったアプリをURLひとつでチームに共有して即運用する
これらすべてが、ブロックをつないで画面上で操作するだけで実現できます。AIを「使う」から「自分の業務に合わせて作る」へ。Difyは、その一歩を踏み出すためのツールです。









