【事例有】市場調査報告書の項目や構成を事例を交えてご紹介

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この記事は市場調査報告書の書き方と使い方について事例を交えてご説明しています。

具体的には以下の内容をご説明していきます。

  1. 市場調査報告書とは
  2. 市場調査報告書の書き方
  3. 市場調査報告書の事例と使い方

この記事は、

  • ご自身で市場調査報告書を書きたいと思っている方
  • 情報を集めるために市場調査報告書を使いたいと思っている方

のお役に立てる記事です。

目次

市場調査報告書とは

市場調査報告書とは特定の市場の数値やデータを元に明らかにしたレポートのことです。

より具体的にご理解いただくために以下の3点についてご説明していきます。

  1. 市場調査報告書の利用シーン
  2. 市場調査報告書を作るメリット
  3. 市場調査報告書の様式

市場調査報告書の利用シーンはマーケティング施策を決定するとき

市場調査報告書は事業のマーケティングのためにあります。数値やデータといった正しい根拠を元に事業をどうすべきかを決定するために使います。

特に自社事業に対する市場調査報告書は必ず、マーケティング施策やマーケティング戦略に対する意見を入れるようにしましょう。

そうすることで市場調査報告書がただの提出物ではなくなり、活きた情報としてチームで使われるようになります。

そしてマーケティングを考える上で、チャネルの選定は非常に重要です。自社の狙っているターゲットがどのチャネルをどのように使っているのか、そしてそのチャネルでどのような集客を行うべきか。

こうした点を整理しているのが以下の記事です。12個のチャネルの特徴の紹介とどのチャネルを使うかの決定フレームワークについても触れています。

市場調査報告書を作ると仮説検証が可視化される

市場調査報告書を作るメリットは可視化されることです。

実際に作ってみるとご理解頂けると思うのですが、仮説とデータの繋がりが弱かったり一連の流れが悪かったり、作ってみて初めて矛盾に気づくことが出来ます。

また、市場調査報告書を作っておくとチーム内共通認識が生まれます。すなわち現状の市場の認識がチーム全体で共有されたうえで、自社事業が取るべきマーケティング施策を議論することが出来ます。

市場調査報告書の様式はWordかPower Pointが一般的

一般に市場調査報告書はWordかPower Pointを用いて作成します。報告会を行うのであればPower Point、報告書のみであればWordが良いでしょう。もし可能であれば発表用のPower Pointと発表に出られなかった人のためのWordがあれば、全ての関係者に情報を共有することが出来ます。

Excelは、グラフや表などを作るときに使用し、報告書の添付資料として使用します。

市場調査報告書の書き方

本章では市場調査報告書の書き方について以下の2点を説明します。

  1. 市場調査報告書の項目
  2. 市場調査報告書の構成

市場調査報告書の項目は8種類

市場調査報告書に書くべき項目は全部で8種類あります。以下の表にまとめたのでご覧ください。

項目名説明
1.調査目的何を検証したいのか
2.調査方法それをどうやって明らかにするのか
3.調査対象アプローチ先はどこか、サンプル数はどうするか
4.調査期間どれくらいの時間をかけるのか(≒どれくらいの費用を書けるのか)
5.調査項目何を調べるのか
6.調査結果各項目に対する数値やデータ
7.分析&考察調査で出てきた数値やデータに対する分析やそこから何が言えるか
8.マーケティング施策の提言調査を通してマーケティング施策をどうすべきか

以下で詳細と例文をご紹介していきます。想定は現在のコロナ下で大きな影響を受けている飲食事業とします。

調査目的|何を検証したいのかを明らかにする

まずは市場調査この調査によって達成したいことを明らかにします。現状がどういう状況で(=背景|AsIs)、何を目指しているか(=目標|ToBe)を記載します。

「現在、自社事業がコロナの影響で前年比○○%のマイナスである。その中で事業の方針を大きく転換する必要がある。弊社事業と同じ対面型のtoC事業におけるオンラインへの移行の成功例とその転換方法について調査する」

調査方法|どうやって明らかにするのか

AsIsToBeが明らかになったら次はHow toを明記します。「どの手法を使うのか」「その手法を使うことによりなぜ目的を達成できるのか」を記載します。

「調査方法は以下の3つを用います。

・アンケート調査
・デスクトップリサーチ
・ソーシャルリスニング

調査対象|アプローチ先はどこか、サンプル数はどうするか

方法が決まったら、次はそれをどこで手に入れるかを記載します。インタビュー調査の場合はモニターとなり、それ以外の場合は情報ソースやターゲット層などになります。

「調査対象者は以下の4つとします。

・従来の顧客
・日本国内のITリテラシーの高い若い世代(30歳以下)
・中国・アメリカ・日本・ヨーロッパの同業他社
・中国・アメリカ・日本の飲食業界以外のtoC向けサービス業の企業」

調査期間|調査の対象とする機関

次に調査期間を設定します。調査期間とは調査にかける時間ではなく、調べるべき時期のことです。長いスパンでの変化が見たい場合と、喫緊の変化を知りたい場合で異なります。

「調査期間は日本で最初に感染者が発見された2020年1月から2020年8月までとする」

調査項目|具体的な質問や文献

調査項目は具体的な中身を定義します。アンケート調査やインタビュー調査の場合には質問項目等になりますし、デスクトップリサーチの場合には文献名を記載します。

「本調査では各国におけるメディアサイトやニュースサイト、雑誌などから最新の各対象者の動きを調査する。

主な情報ソース
・NY Times
・JETRO発表資料
・・・etc 」

調査結果|実際の値

本文ともいえるメイン部分。その中でストーリーが必要です。必ず段落ごとに冒頭に結論を記載し、グラフや表などは強調部分を明示します。

5月からの持ち直しは見えるが自粛前の3月より売上は落ちている

(引用元:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年6月度 結果報告


分析&考察|実際の値から読み取れることや考えられること

複数のデータから考えられることを記載します。あくまでロジカルに繋がっている必要があります。

例「2020年度の売上減と倒産件数には乖離が見られるので、未申請の企業が多くあると想定され、今後も倒産件数が増えていくことが想定される。

飲食店の倒産件数推移(帝国データバンク「飲食店の倒産動向調査(2020 年上半期)

マーケティング施策の提言|ネクストアクション

最後に今後の展望、もしくは施策への提言を記載します。

「以上の点から今後は○○の動きが増していくことが想定されます。その中で弊社で実行可能なのは以下の3つの方法です。

1.○○
2.○○
3.○○ 」

市場調査の方法に関しては別記事にまとめておりますので、そちらもご覧ください。
マーケティングリサーチの実施方法全15種類と選び方を段階別・対象者別に解説

市場調査報告書の構成は受け手へのメッセージで挟む

本項では市場調査報告書のストーリー構成について説明していきます。以下の図をご覧ください。こちらは市場調査報告書の構成の図です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: e-R6mOmFiDle0aBi9oJRncfeVxoTOaMGWu3tSXGohThrqPPmpqR1X-KI7zA-d-kmdEEOqq2U62jONV58vjjxze8hS_LOJYzd_7at9pLweso4Xnqi8K8YsedktwI7QVrqzVZnLJ8

”報告書”である以上必ず受け手がいます。その受け手に対する”報告書”で無ければなりません。上項で説明した8項目の最初と最後に必ず受け手に対するメッセージを入れるようにしましょう。

最初に受け手に全体像をつかんでもらうために、「何の調査をして」「その結果どうだったのか」そして「どんなマーケティング施策をうつべきか」を簡潔に記載します。最初に全体像が分からないと何を説明されているのか分からなくなり、受け手に負担を強いります。

次に、上項の8項目を記載します。これらは「なぜそのマーケティング施策をうつべきか」の理由にあたります。

そして最後にもう一度「以上の理由から○○の施策をうつべきです」と結論を言い、その実現のためのネクストアクションを伝えて、具体的に検討してもらうようにします。

市場調査報告書の事例

ここからは市場調査報告書の事例とその事例を見る方法をご紹介していきます。内容としては以下の4つです。

  1. 公的機関の発表している市場調査報告書
  2. 調査会社が無料で出している市場調査報告書
  3. 市場調査報告書を見るときの注意点
  4. 有料市場調査報告書のメリット・デメリット

本章でご紹介している事例をエビデンスとしてご使用いただくのもよいですし、市場調査報告書の参考書としてご使用頂くことも出来ますので、是非ご活用ください。

公的機関の発表している市場調査報告書

市場調査報告書の事例の1つ目として、公的機関が出しているものがあります。下にWord形式とPower Point形式の2種類の事例のリンクを貼っておきます。

公的機関の発表している市場調査報告書の良い点は質が高い点です。

大手コンサルティングファームなどが受託する場合が多く、内容や構成が明確であり、書き方のフォーマットもきれいです。なので、参考書として使うには有効です。しかし、内容が膨大なことが多く、読み解こうとすると大変かもしれません。

・Word形式の市場調査報告書

令和元年度電子商取引に関する市場調査(経済産業省)

・Power Point形式の市場調査報告書

H30年度EUマーケット調査報告書(水産物・水産加工品輸出拡大協議会)

調査会社が無料で出している市場調査報告書

次の事例は調査会社が無料で出している市場調査報告書です。

こちらは簡易なものが多く読みやすいですが、詳細として使えるエビデンスとしては弱いです。報告書の構成やストーリーの参考にするか、トレンドの把握のために使用すると良いでしょう。

また、以下でご紹介している2社は共にアカウント登録が必要となるので、良くも悪くもメール通知されます。新着を確認しに行かなくてもお知らせしてくれるので、最新トレンドの把握には役立ちます。

マクロミル

矢野経済研究所

市場調査報告書を見るときは結果を鵜呑みにしない

上記のような一般向けの市場調査報告書を見る場合には結果だけを鵜呑みにしないようにしましょう。

もし調査結果が自身の求めている内容だったとしても調査の方法が異なる場合はあなたの事業を判断するうえで有効に働くとは限りません。調査の対象者がずれていたり、出版年が古いと今のあなたの事業に対して有効とは限りません。

他社の市場調査報告書を見る場合でも「どんな仮説に対して」「どんなアプローチ方法で調査して」「その結果どうだったのか」を理解したうえで用いるようにしましょう。

さらに詳細情報が知りたい場合は有料版を使用するのもあり

前項のように、一般向けの市場調査報告書は必ずしもあなたの目的と合致しているとは限りません。そこで、必要に応じて有料の市場調査報告書を購入することも検討しましょう。

有料版のメリットは2つあります。

  1. ミクロな詳細情報が手に入る
  2. 全体のストーリーが把握できる

1.ミクロな詳細情報が手に入る

一般向けに出されている市場調査報告書の多くはマクロな視点で書かれているものが多いです。国単位だったり、業界全体だったりに対しての報告書となります。しかし、あなたの事業のマーケティング施策を決定するためにはマクロな情報だけだと不足している場合があります。

そういう時は、有料版の購入を検討してみてもよいでしょう。有料版は概要や目次が細かく説明されているので、事前によく確認してから購入するようにしましょう。

2.全体のストーリーが把握できる

市場調査報告書を見るとマクロな展望からミクロな現状や問題意識、最近のトレンドが把握できる構成になっています。なので、自身の問題意識と合致している市場調査報告書を確認しておくと事業の周辺知識がまとまってインプットされます。

逆にデメリットは高額になることです。中々個人では購入が難しいでしょう。今後も会社で役立つようであれば、申請してみるのはいいかもしれません。

まとめ

本記事では市場調査報告書についてご説明してきました。

まとめると以下の3点になります。

  • 市場調査報告書はマーケティングのためにある
  • 市場調査報告書を書く場合には受け手へのメッセージを伝える
  • 市場調査報告書を使う場合には結果を鵜呑みにしない

最後までお読みいただきありがとうございました。

これから実際に市場調査報告書を書こうと思っている方はこちらの市場調査の方法についての記事もお役に立てるかと思います。
マーケティングリサーチの実施方法全15種類と選び方を段階別・対象者別に解説

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