【テンプレあり・作り方解説記事】カスタマージャーニーマップとは?実企画に必要な周辺知識まで一気に説明!


カスタマージャーニーとは・・・

購買行動モデルの各フェーズを分解してより深く理解するためのフレームワークです。購買行動モデルとは消費者がその商材を知ってから導入するまでの工程をモデル化したものです。有名なモノで行くとAIDMA(Attention:注意、Interest:興味関心、Desire:欲求、Memory:記憶、Action:行動)などがあります。これらの各フェーズの消費者の行動や心理、接点などを分析して一つの図にしたものをカスタマージャーニーマップといい、オンラインが当たり前の現代ではマーケティング施策を考える上でよく使用されます。

なぜカスタマージャーニーを使用すべきなのか

オンラインの登場で複雑化した消費行動を正しく把握するため

なぜ従来型の購買行動モデルではなく、カスタマージャーニーが使用されるようになったのでしょうか。答えは顧客の動きが複雑すぎてよくわからなくなったからです。昔であればマス広告を見て、来店し、購買を決定する。。など顧客の動きが予測しやすかったのですが、現在は自社HPや比較サイト、SNSなど流入経路が多様化し、顧客の行動とその時のフェーズが読みにくくなりました。すなわち同じものを見ていたとしても同じフェーズの顧客とは言えなくなりました。そこで顧客がどんな経路で購入するかを心理状態や行動と合わせて分析することで、より顧客を理解し適切なアプローチを検討するのがカスタマージャーニーです。

これらを簡潔にまとめると顧客側と企業側で、それぞれ以下のようになります。

  • 顧客側:顧客の購買行動が多様化し、従来の消費者行動モデルが当てはまらない場合も出てきたから
  • 企業側:一人ひとりに合わせたマーケティング施策を打ち出せるようになったため

関係者の認識を統一するため(ペルソナ設定)

企画を進めていくと実感していただけるかと思いますが、言葉ではみんな合意していても詳細を詰めていくと認識が少しずれていた。ということが良く起こります。そういったことが起こらないように想定顧客の代表例を一人設定し、趣味や住んでいる地域、既婚/未婚、性別などを詳細に設定していきます。これをペルソナ設定と呼びます。そして詳細に設定したペルソナがどんな流れで購入に至るのかを、カスタマージャーニーで分析します。こうすることで、チーム内で認識がずれずに検討していくことができます。

カスタマージャーニーの項目

次にカスタマージャーニーの項目について説明していきます。一般的に使用される項目は以下の10個です。その時の状況によって粒度や項目数などは変更しても問題ありません。あくまで顧客の理解を目標に、臨機応変に用いていきましょう。以下にそれぞれの項目を説明していきます。

a. 商品・サービス

まず、その商材の特徴を簡潔に示します。基本的な考え方として誰に何をどうしてほしいかを明らかにしていきます。そしてこの項目では、何をする商材なのかを明確にします。

b. ペルソナ

次にその商品・サービスの対象顧客像を定義します。前章でご説明したように関係者全員の認識が共有されるように具体的に記述します。また以下の項目も本項目で設定したペルソナに対して設計していきます。

c. ゴール

本事業における顧客の導線のゴールを定義します。上記1と2で「誰に」「何を」を設定したので、次に「どうする」を設定します。ここまでの1~3がしっかりと定義されていないと以下の項目がぼやけがちです。繰り返し立ち戻って定義をブラッシュアップしていきましょう。

d. フェーズ(ステージ)

次に、顧客の状態を分割していきます。もちろん独自の分割でもよいですが、もしよくわからない場合は購買行動モデルをあてはめるとやりやすいでしょう(消費者行動モデルの変遷と最新の考え方)。

e. チャネル/タッチポイント

4で分割したフェーズごとに顧客との接点を検討します。どのチャネル(SNS, HP, 店舗, チラシ…etc)を用いて、どういったタッチポイント(会話, チャット, 記事, 動画…etc)があるかを考えていきます。同じ接点でも異なるフェーズに存在する場合もあるので、様々な導線を検討しましょう。

f. 行動

各フェーズで定義したチャネル/タッチポイントにおける顧客の行動を検討します。顧客がしなければならないことや自然としてしまっていることを明らかにしてチャネルやタッチポイントの改善に役立てます。

g. 思考

各フェーズの顧客の頭の中を分析します。自社との接点において顧客はなにを考えているでしょうか。「とにかく速やかに手続きを進めたい」のか、「まずはじっくり情報を欲しい」と思っているのか、「悩みを聞いてほしい」のかなど顧客のし好を分析することで打ち手が見えやすくなります。

h. 感情

各フェーズでの顧客の感情を分析します。焦りなのか期待なのかによっても顧客への問いかけが変わってきます。

i. 課題

そして、今まで分析や定義してきた各フェーズの項目に対しての課題を分析します。顧客にとって何が課題かをまとめ上げます。

j. 施策

上記、課題に対して自社が出来る施策を検討します。本項目を決定していくために各フェーズに対して分割して分析を行っているので、こちらで具体的なアクションに落とし込むまで思考します。

フェーズの分割の仕方について|購買行動モデルをあてはめる

前章までの流れで一応はカスタマージャーニーマップを作成することができます。しかし、実際に作成しようとすると「フェーズって何?」となりませんでしょうか?(私はなりました・・・)

そこで、実際にカスタマージャーニーを作成するときは、まず顧客のゴールまでの流れをいくつかのフェーズに分割していきます。この際、もちろん独自で分割してもよいですが、購買行動モデルをあてはめることも多いです。ここでは大きく4つのチャネルや集客方法に対してよく使用される購買行動モデルを説明していきます。

よく使用される4つの購買行動モデル

  • AIDMA(汎用的)
  • AISCEAS(インターネット向け)
  • VISAS(SNS向け)
  • DualAISAS(コンテンツ向け)

AIDMA(汎用的)|迷ったらAIDMAを使用することが多いです

まずは最も有名と思われるAIDMAから説明します。AIDMAは以下の項目からなります。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

人が購入を決める非常に一般的なプロセスです。

  1. まず知ってもらって(Attention)
  2. 興味を引き(Interest)
  3. 欲しいと思わせて(Desire)
  4. 商材を覚えてもらって(Memory)
  5. 買う(Action)

色々な購買行動モデルの基礎になっているので、まずはこちらが当てはまるかを検討してみるとよいと思います。

AISCEAS(インターネット向け)|”ググる”時代の購買決定プロセス

元々は電通社が2004年に発表したAISISというモデルをインターネット向けに広げたのがAISCEASです。それぞれ説明していきます。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Search(調査)
  • Comparison(比較)
  • Examination(比較)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

興味を持った後がAIDMAとは異なります。

  1. まず知ってもらい(Attention)
  2. 興味を持ったら(Interest)
  3. 自分調べ(Search)
  4. 調べた商材を比較し(Comparison)
  5. それぞれの特徴を検討し(Examination)
  6. 購買し(Action)
  7. 良かった場合に他人に共有します(Share)

購買後にも共有のステップがあり、購買者が新たな購入者を生み出すフェーズまで検討する部分がAIDMAとは違うインターネット時代のプロセスです。

VISAS(SNS向け)|インフルエンスしあう購買プロセス

VISASはSNSからきっかけを得て、購買するプロセスです。

  • Viral(口コミ)
  • Influence(影響)
  • Sympathy(共感)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

きっかけが広告ではなく、口コミとなることによりプロセスが異なります。

  1. まずは周囲の人のSNSでの口コミで存在を知って(Viral)
  2. その口コミの内容に影響され(Influence)
  3. また口コミを書いた人にも共感し(Sympathy)
  4. 自分も購入を決めて(Action)
  5. 実際に購入した結果を共有します(Share)

AIDMAとはAction以外の項目が異なります。SNS時代の現代と広告がほとんどない時代にも当てはまる購買プロセスでしょう。

DualAISAS(コンテンツ向け)|”買いたい””広めたい”の2軸プロセス

上記で説明したAISASをコンテンツマーケティング向けに進化させたモデルです。こちらは図で見て頂いた方がわかりやすいと思いますので、以下の図をご覧ください。

まず購買行動としてのAISASを説明します。

  • Active(活性化)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

コンテンツの盛り上がりが端を発します。

  1. コンテンツの活性化・盛り上がり(Activate)
  2. ユーザーが興味を持ち(Interest)
  3. 検索し(Search)
  4. 購入し(Action)
  5. 共有する(Share)

そしてこの中でもコンテンツの盛り上がりを作るActivateの項目に対してもAISASの頭文字を取った行動を行います。

ActivateするAISAS

  • Influence(影響される)
  • Share(共有する)
  • Accept(共鳴・共感)
  • Spread(拡散)
  1. 興味を持つ(Interest)
  2. 共有する(Share)
  3. 共感・共鳴する(Accept)
  4. 拡散される(Spread)

購入の前に”広める”のがコンテンツ時代の購買となります。従来と異なり誰もが発信者となれる今だから成り立つモデルですね。

カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点

フェーズの分割まで行えると、カスタマージャーニーマップの作成も進むと思います。この章では、実際に作成する場合の注意点を説明していきます。

現在の想定顧客と自社利用の場合を比較する

実際の新規事業にカスタマージャーニーを適用する場合、想定顧客はすでに何らかの代替商材を使っています。自社商材が解決する課題を何らかの商材で対応しています。その代替商材が何なのかを明らかにするのは競合調査やSTP分析など別の分析になりますが、ここでは代替商材がわかっている前提でお話しします。

そして代替商材のカスタマージャーニーを分析し、どうやって代替商材から自社商材へ移行してもらうかを分析していくと、実際に事業を立ち上げる際は有効です。

そしてこの比較は手順としては、まず自社だけでカスタマージャーニーマップを作成し、その後競合に対してもカスタマージャーニー分析をすると想定との違いで適切な施策を打てます。

最初から競合を適切に定義できている場合は競合からやったほうが早いかもしれませんが、実際の新規事業では競合の定義はかなり多岐にわたるため、仮説ベースで先に自社商材のカスタマージャーニーを作成したほうが進捗は早いことが多いです。

ユーザーシナリオとの併用がお勧め

カスタマージャーニーがロジカルに顧客の動きを分析するものだとすれば、それをストリーにすることで一連の流れのつながりやずれがないかを確認できるのがユーザーシナリオです。

ユーザーシナリオとは設定したペルソナが日常生活の中で商材を購入する流れをストーリー仕立てで描くものです。

ユーザーシナリオとカスタマージャーニーの双方に納得感があれば、ブレの少ない優秀な戦術であることが多いです。

また、実際に作成していく過程では片方だけでは手が止まってしまうことも多いので、そんな時はもう片方の作成を進めてみると企画がはかどると思います。

BtoBにも有効|営業の可視化に最適

Customer JourneyというとtoC向けサービスのフレームワークだと思われがちですが、toB向けでも効果を発揮します。

特に営業の可視化ツールとしては最適で、各位フェーズにおける顧客担当者の行動や思考を分析していくと再現性の高い営業マニュアルとなります。

もしご自身で営業する場合や、営業担当で伸び悩みを感じている方は是非使用してみてはいかがでしょうか。

ご存じの方も多いと思いますが、Sales ForceをはじめとするSFAツールでもフェーズ区切りの設定が出来るものも多いです。

まとめとテンプレート|実際にやらないと力はつきません

今回はカスタマージャーニーについて、項目や作り方、作成時の注意点などを説明しました。

要点をまとめます。

消費者の複雑な行動を理解するためにカスタマージャーニーを使用する

関係者の認識のずれを無くすためにカスタマージャーニーを使用する

フェーズの分割は購買行動モデルをあてはめるとよい

ユーザーシナリオと併用しずれやもれのないカスタマージャーニーを描く

そして最後に一番大切なことを説明します。

それは

実際にご自身で作成しないと力はつかない

ということです。

今日まで使用されているようなフレームワークは、汎用の高く様々な場合に当てはまることが多いです。しかし、完全にご自身の企画に当てはまる場合ばかりではありません。また、各項目の粒度などもご自身の企画に応じて変化させる必要があります。

必ずご自身でも作成してみてください。確実に力が付きます。

また以下のURLからテンプレートをダウンロード出来ます。

カスタマージャーニー_テンプレート_202004

本記事が少しでも皆さんのお役に立てることを願っています!

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