Makeでできることの範囲は、単純なタスクの繰り返しから、AIを組み込んだ高度な判断業務まで広がっています。
「毎日のデータ転記をなくしたい」
「複数のアプリを行き来する時間を減らしたい」
そんな現場の悩みを、Makeならノーコードで解決。
まつこれまでの自動化ツールはエンジニア的な発想と技術が必須でしたが
Makeは視覚的にわかりやすいUIかつノーコードで業務に合わせた自動化を実現できます。
そのため、非エンジニアであってもご自身の業務を効率化する機会が増えてきたな、と感じています。
この記事では、営業のリード対応から経理の請求書処理まで、明日から使える具体的な自動化のアイデアと、実際に少人数で大きな成果を上げたチームの実践例を紹介します。
Makeのここがすごい!5つの特徴
業務を自動化するiPaaSツールは数多くありますが、Makeには他のツールでは得られない明確な強みがあります。ここではZapierやPower Automateといった代表的なツールと比較しながら、Makeを選ぶ必然性となる5つの特徴を紹介します。
- ビジュアルキャンバスで業務フローがそのまま見える
- 条件分岐・ループ・データ加工を1つのシナリオで完結できる
- HTTPモジュールでAPI連携先に制限がない
- 同じ自動化をZapierの4分の1以下のコストで動かせる
- AIエージェントをノーコードで業務に組み込める
順番に詳しく見ていきましょう。
ビジュアルキャンバスで業務フローがそのまま見える
多くの自動化ツールは、自動化の手順をリスト形式で上から下に並べる直線的なUIを採用しています。たとえばZapierでは、トリガーとアクションがフォーム形式で一列に並ぶため、シンプルな自動化には分かりやすい反面、ステップが増えるほど全体像が見えにくくなります。
Makeはこれとはまったく異なるアプローチをとっています。Makeの画面は、ホワイトボードのような広いキャンバスです。自動化の各ステップがカラフルな丸いモジュールとして表示され、それらをドラッグ&ドロップでつなげていくことで、業務フローがそのまま視覚的な図として完成します。
この設計がもたらすメリットは、見た目の分かりやすさだけにとどまりません。ビジネスの現場で大きな違いを生む場面が3つあります。
複雑なフローの全体把握
ステップが20、30と増えていくと、リスト型のUIではスクロールを繰り返さなければ全体を把握できません。Makeのキャンバスなら、どんなに大きなフローでもズームアウトすれば全体を一目で見渡せます。
トラブル時の原因特定
自動化がうまく動かないとき、リスト型のUIではどのステップで何が起きたのかを1つずつ確認していく必要があります。Makeではデータの流れがアニメーションで表示されるため、どのモジュールで処理が止まったのか、どこでエラーが出たのかが直感的に分かります。
チーム内での共有
キャンバス上のフローは、そのままフローチャートのように機能します。プログラミングの知識がないメンバーに自動化の内容を説明するとき、画面を見せるだけで「ここでこの処理をして、この条件でこっちに流れる」という説明がすぐに伝わります。
条件分岐・ループ・データ加工を1つのシナリオで完結できる
業務の自動化を進めていくと、すぐに突き当たる壁があります。実際のビジネスプロセスは、「AならB、CならD」という条件分岐や、大量のデータを1件ずつ処理するループの繰り返しで成り立っている、ということです。
Zapierでも条件分岐(Paths)やループ(Looping)は実装されていますが、Pathsの分岐数には制限があり、複雑なロジックを組もうとすると複数のZapに分割する必要が出てきます。Makeでは、1つのシナリオの中で無制限にルート分岐を作成でき、ループもデータ加工も同じキャンバス上で完結します。
ビジネスの現場でこれがどう役立つのか、主要なモジュールごとに見てみましょう。
Router:条件ごとに処理を自動で振り分ける
Routerは、データの内容に応じて処理を自動で分岐させるモジュールです。たとえば、Webフォームから届いた問い合わせを「法人客はSlackの営業チャンネルへ」「個人客はメールで自動返信」「海外からの問い合わせは英語対応チームへ」というように、1つのシナリオの中で同時に振り分けることができます。
分岐の数に制限はありません。事業が成長して新しい条件が増えても、Routerにルートを追加するだけで対応できます。Zapierでは同じことを実現するために複数のZapを並行して走らせる必要があり、管理が煩雑になりがちです。
Iterator・Aggregator:大量データをバラして処理し、1つにまとめ直す
Iteratorは、まとまったデータを1件ずつに分解して処理するモジュールです。たとえば、1つの注文に10個の商品が含まれている場合、Iteratorがその注文を10件の個別データに分解し、それぞれに対して在庫確認や出荷指示を実行します。
Aggregatorはその逆で、バラバラに処理したデータを1つにまとめ直します。10件の商品データを個別に処理した後、Aggregatorで1通のまとめメールや1つのレポートとして統合するといった使い方です。
この「分解→個別処理→再統合」の流れは、受発注処理、請求書の明細処理、複数ソースからのデータ集約など、あらゆる業務で発生します。Makeではこれが標準機能として備わっているため、追加のツールやコードなしで実現できます。
エラーハンドラー:失敗しても止まらない自動化を作れる
自動化を本番環境で運用するうえで避けて通れないのが、エラーへの対処です。APIの一時的なタイムアウト、入力データの不備、外部サービスのメンテナンスなど、自動化が止まる原因は日常的に発生します。
Makeのエラーハンドラーは、エラーが発生した際の挙動をモジュール単位で細かく設定できます。「3回までリトライする」「失敗したデータだけ別ルートに退避させて、残りの処理は続行する」「エラー内容をSlackに通知してから停止する」といった設計が、コードを書かずにキャンバス上で組めます。
これにより、たとえば100件のデータを処理している途中で1件だけエラーが出ても、残り99件の処理は止まりません。業務を止めずに安定稼働させる仕組みを、ノーコードで構築できるのはMakeならではの強みです。
HTTPモジュールでAPI連携先に制限がない
自動化ツールを選ぶとき、多くの人がまず確認するのは連携できるアプリの数です。Zapierは7,000以上、Makeは2,000以上のアプリに対応しています。数字だけを見るとZapierが圧倒的に見えますが、実際のビジネスで問題になるのは「使いたいサービスが一覧にない」というケースです。
自社開発の基幹システム、業界特化型のニッチなSaaS、社内のデータベースなど、公式連携アプリの一覧には載らないサービスと接続したい場面は少なくありません。
ここでMakeのHTTPモジュールが力を発揮します。HTTPモジュールは、APIを持つあらゆるWebサービスに直接リクエストを送信できる汎用モジュールです。公式アプリが用意されていないサービスでも、APIドキュメントさえあればMakeのキャンバス上で接続して自動化に組み込めます。
たとえば、自社開発の在庫管理システムからデータを取得してスプレッドシートに反映する、業界特化型の会計ソフトに請求データを送信する、社内のAIモデルにテキストを投げて分析結果を受け取る、といった連携がすべてHTTPモジュール1つで実現できます。
ZapierにもWebhooksやAPI連携の機能はありますが、MakeのHTTPモジュールはGET・POST・PUT・DELETEといったメソッドの指定、ヘッダーのカスタマイズ、認証方式の選択、JSONのパースまで、ビジュアルエディタ上で細かく設定できます。開発者でなくても、APIの基本的な仕組みを理解していれば使いこなせる設計です。
この柔軟性が意味するのは、連携先に制限がないということです。Makeのアプリ一覧に載っていないサービスでも、APIさえあれば接続できる。この安心感は、独自のシステム環境を持つ企業にとって、Make一択になる決定的な理由です。
同じ自動化をZapierの4分の1以下のコストで動かせる
自動化ツールの料金体系は、長期的な運用コストに大きく影響します。MakeとZapierの料金を単純比較すると、その差は歴然です。
Makeの有料プラン(Core)は月額$9で10,000クレジットが利用できます(2025年8月より「オペレーション」から「クレジット」に名称変更。標準的なアクションは1クレジット=旧1オペレーションで実質同じです)。一方、Zapierの有料プラン(Professional)は月額$29.99です。金額だけ見てもMakeのほうが安いのですが、本質的な違いは「何を1回とカウントするか」にあります。
Zapierの「タスク」は、ワークフロー内のアクションが実行されるたびに1タスクとしてカウントされます(トリガーやFilter、Pathsなどの組み込みツールはカウント対象外)。一方、Makeの「クレジット」は各モジュールの実行1回につき1クレジットです。月あたりの上限に大きな差があるため、同じ処理量でもコストに大きな差が出ます。
具体的な例で考えてみましょう。フォーム送信をトリガーに、CRMへの登録、担当者へのSlack通知、フォローアップメールの送信という3アクションの自動化を、1日に50回実行するとします。
Zapierの場合、1回の実行で3タスク(トリガーはカウント対象外)×50回×30日=月4,500タスク。Professionalプランのタスク上限内に収めるにはプランの選択に注意が必要です。Makeの場合、トリガーを含めて1回4クレジット×50回×30日=月6,000クレジット。Coreプランの10,000クレジットの範囲内に収まり、月額$9で運用できます。
自動化する業務が増えるほど、このコスト差は広がっていきます。特に複数の部門で自動化を展開する企業にとって、Makeの料金体系は大きなアドバンテージです。


AIエージェントをノーコードで業務に組み込める
2025年以降、業務自動化の世界でもっとも注目されているのがAIとの連携です。MakeはAI活用においても、他のiPaaSツールにはない独自のポジションを築いています。
Makeには400以上のAI関連アプリが統合されており、OpenAI(ChatGPT)、Anthropic(Claude)、Google Geminiなどの主要なAIモデルを、キャンバス上のモジュールとしてシナリオに直接組み込めます。たとえば、受信メールの内容をAIで分析して感情スコアを付け、スコアに応じてRouterで対応を振り分ける、といったフローが、コードを一行も書かずに構築できます。
さらに2025年には、Make AIエージェントという新機能がリリースされました。これは、特定の業務目標を設定するとAIが自律的に判断しながらタスクを実行するエージェント型の自動化です。単純なルールベースの自動化では対応しきれない、判断を伴う業務にもAIの力を活用できるようになりました。
加えて、MakeはMCP(Model Context Protocol)サーバーにも対応しており、外部のAIツールからMakeのシナリオを安全に呼び出すことも可能です。AIを業務に活用したいが実装方法が分からないという企業にとって、Makeはコードなしで始められるもっとも現実的な選択肢です。


ただし、AIを業務フローに組み込む際には注意すべき点もあります。AIの出力は常に100%正確とは限らないため、重要な判断(顧客への最終回答、金額に関わる処理など)にはAIの結果を人がレビューするステップを挟む設計が安全です。Makeでは、AIモジュールの後にSlack通知やメール承認のステップを入れることで、こうした人による確認の仕組みを簡単に組み込めます。
Makeでできること①:営業・リード対応を自動化し、見込み客を取りこぼさない
営業活動において、リードへの対応速度は成約率に直結します。しかし現実には、フォームから届いた問い合わせを手動でCRMに入力し、担当者に割り振り、フォローアップメールを送るという作業に追われ、見込み客を待たせてしまうケースが少なくありません。Makeを使えば、リードの取得から振り分け、フォローアップまでの一連の流れを自動化し、対応のスピードと質を同時に引き上げることができます。
- リード情報の自動振り分けとCRM連携で、対応の遅延と抜け漏れをなくす
- フォローアップメールの自動パーソナライズ配信で、手間をかけずに適切なタイミングで接点を持つ
- 営業レポートの自動生成とSlack通知で、データ集計に費やしていた時間を意思決定に使う
それぞれの具体的な仕組みを見ていきましょう。
リード情報の自動振り分けとCRM連携
Webフォームやランディングページから届いたリード情報を、手作業でCRMに転記している企業は多いです。この作業自体は1件あたり数分ですが、件数が増えると無視できない時間になり、転記ミスや対応漏れの原因にもなります。
Makeでは、フォーム送信をトリガーにしてCRM(HubSpot、Salesforce、Pipedrive など)へのリード登録を即座に自動実行できます。ここでMake固有の強みが活きるのが、Routerによる振り分けです。
たとえば、フォームの入力内容から「法人か個人か」「所在地域はどこか」「問い合わせ内容のカテゴリは何か」を判定し、条件に応じて異なる担当者やチームにSlackやメールで通知を飛ばせます。地域別の代理店網を持つ企業であれば、リードの国や地域に応じて最適な担当者に瞬時に引き渡すことが可能です。
この仕組みの効果を示す事例があります。イスラエルのバイオガス企業HomeBiogasは、世界中から届くリードを手動で分類・割り振りしていたため、平均24時間もの返答遅延が発生していました。Makeのシナリオを導入し、フォーム送信→Airtableへの自動登録→地域別担当者への即時通知→パーソナライズされた初期対応メールの自動送信という流れを構築した結果、リード対応時間を約15分にまで短縮しました。単なるテンプレートの自動返信ではなく、リードの地域や問い合わせ内容に応じた意味のある初期対応を、人手をかけずに実現した点がポイントです。
なお、リード情報の自動処理においては、個人情報の取り扱いに注意が必要です。GDPRや個人情報保護法への準拠が求められる場合、Make上でデータの送信先を限定したり、シナリオのデータログ記録を無効化する機能を活用して、不要なデータ保持を避ける設計にすることが重要です。Makeにはシナリオ単位でデータロギングのオン・オフを切り替える機能があるため、機密性の高いデータを扱うフローでも安心して運用できます。
フォローアップメールの自動パーソナライズ配信
リードを獲得した後、適切なタイミングでフォローアップの接点を持ち続けることが成約への鍵です。しかし、すべてのリードに対して手動でメールを書き、送信タイミングを管理するのは現実的ではありません。
Makeでは、リードの登録をトリガーにして、一定間隔でフォローアップメールを自動配信するシナリオを構築できます。ここでも、Routerによる条件分岐がMakeならではの強みとして活きます。
たとえば、資料ダウンロードだけしたリードには3日後に事例紹介メールを送り、問い合わせフォームから連絡してきたリードには翌日に担当者からのパーソナライズドメールを送る、という出し分けが1つのシナリオで実現できます。さらに、Data Store(Make内蔵の簡易データベース)を使えば、各リードの状態やフォローアップ履歴を記録し、すでに返信済みのリードには重複送信しないといった制御も可能です。
自動メール配信で注意すべきなのが、スパムとみなされないための設計です。特定電子メール法や各国のスパム規制を遵守するために、メール本文にオプトアウト(配信停止)リンクを必ず含めること、送信頻度を適切にコントロールすること、配信リストから明示的に同意を得ていない宛先を除外することが必要です。Makeのシナリオ内で、送信前にリードの同意状態をチェックするフィルターを挟むことで、こうした法的要件にも対応できます。
営業レポートの自動生成とSlack通知
営業マネージャーにとって、チームのパフォーマンスをタイムリーに把握することは意思決定の質を左右します。しかし、CRMからデータをエクスポートし、スプレッドシートに整理し、集計してレポートにまとめるという作業に毎週何時間も費やしているケースは珍しくありません。
Makeでは、CRMのデータをAggregatorで集約し、整形した上で日次・週次レポートを自動生成するシナリオを構築できます。完成したレポートはSlackチャンネルに自動投稿したり、Google SheetsやNotionに自動記録したりと、チームが日常的に使っているツールに直接流し込めます。
ドイツの経費管理プラットフォームCirculaは、HubSpotとAirtable間のリードデータ同期、そしてSlackへの営業レポート自動配信をMakeで構築しました。SDR(インサイドセールス)からAE(アカウントエグゼクティブ)へのデータ引き渡しが自動化されたことで、手動によるデータ転記ミスがなくなり、営業チームがより早く意思決定できるようになったとされています。
Makeでできること②:マーケティング業務を仕組み化し、少人数でも成果を出す
マーケティング部門は「やるべきこと」が際限なく増えていく部門です。SNS投稿、ブログ記事の作成、広告運用、メール配信、データ分析。そのすべてを限られた人数でこなすのは、仕組み化なしには不可能に近い状況です。Makeを使えば、コンテンツ制作からデータ収集、リードナーチャリングまで、マーケティングの主要業務を一気通貫で自動化できます。
- SNS投稿・ブログ記事の自動生成と一括公開で、コンテンツの量産体制を少人数で実現する
- 広告データの自動収集とレポーティングで、手作業のCSVダウンロードから解放される
- リードスコアリングとナーチャリングの自動化で、有望なリードを逃さず育てる
SNS投稿・ブログ記事の自動生成と一括公開
質の高いコンテンツを継続的に発信し続けることは、マーケティングの基本でありながら、もっとも時間を食う業務の1つです。Makeでは、AIモジュールとの連携により、コンテンツ制作プロセスそのものを自動化できます。
たとえば、Google Sheetsにキーワードとテーマを入力すると、OpenAIやClaude AIのモジュールが下書きを生成し、Google Docsに自動保存。レビュー後にWordPressへの投稿やSNSへの一括公開まで、1つのシナリオで完結するフローを構築できます。
米国のクリエイティブエージェンシーBasilicaは、まさにこの仕組みをMake上に構築しました。Google Sheets、Google Docs、Anthropic Claude AI、Slackを1つのシナリオに統合し、技術ブログの制作時間を半分以下に短縮しています。手動でChatGPTにプロンプトを入力して結果をコピー&ペーストするのではなく、プロンプトの投入からAIの出力、文書の整形、チームへの通知までが自動で流れる仕組みです。
また、ノーコードコンサルティング企業のGAP Consultingは、動画コンテンツのプロモーションをMakeで自動化しました。YouTubeへの動画アップロードをトリガーに、OpenAI連携でトランスクリプト、タイトル、説明文を自動生成し、さらにブログ記事やメール配信用のコンテンツまで一気に作成するワークフローを構築しています。
ここで重要なのは、AIが生成したコンテンツをそのまま公開せず、人によるレビューステップを必ず挟むことです。Makeのシナリオでは、AI生成コンテンツをいったんGoogle DocsやNotionに保存し、担当者がレビュー・編集した後に公開トリガーを手動で実行する、という設計にすることで、品質管理と自動化の効率を両立できます。


広告データの自動収集とレポーティング
複数の広告プラットフォーム(Google Ads、Meta Ads、X広告など)を並行運用している企業にとって、各管理画面にログインしてCSVをダウンロードし、スプレッドシートにまとめるという作業は、毎週のように発生する定型業務です。
MakeのHTTPモジュールを使えば、各広告プラットフォームのAPIからデータを自動取得し、Google SheetsやBIツールに直接流し込むシナリオを構築できます。公式連携アプリが用意されていない広告プラットフォームでも、APIさえ提供されていればHTTPモジュールで接続できるため、「このツールだけ手動で」という中途半端な状態を解消できます。
さらに、Aggregatorを使って複数プラットフォームのデータを1つのレポートに統合し、週次でSlackやメールに自動配信するところまで自動化すれば、マーケティングチームはデータ集計ではなくデータ分析に時間を使えるようになります。
リードスコアリングとナーチャリングの自動化
マーケティング部門が獲得したリードのうち、すぐに商談化するのはごく一部です。残りの大多数は「興味はあるがまだ検討段階」のリードであり、適切なタイミングで適切な情報を届け続けることで初めて商談につながります。
Makeでは、Data Store(Make内蔵の簡易データベース)を使って各リードの行動データを蓄積し、スコアリングのロジックをRouterで実装するという方法で、ノーコードのリードスコアリング基盤を構築できます。
たとえば、ホワイトペーパーをダウンロードしたら+10点、料金ページを閲覧したら+20点、セミナーに参加したら+30点、といったスコアをData Storeに加算していき、閾値を超えたリードだけをCRMの「ホットリード」ステータスに自動変更してSlackで営業チームに通知する、というフローが組めます。
スコアに応じてナーチャリングメールの内容を自動で出し分けることも、Routerの条件分岐で実現できます。スコアが低い初期段階のリードには教育コンテンツを、スコアが高い検討段階のリードには事例紹介や無料トライアルの案内を、それぞれ異なるタイミングと内容で自動配信します。
Makeでできること③:バックオフィスの手作業をなくし、月100時間を取り戻す
バックオフィス業務には、量が多いわりに付加価値が低い定型作業が大量に存在します。請求書の転記、経費精算の突合、入社手続きの各種システム登録、在庫データの更新。こうした業務は正確さが求められる一方で、手作業で行うとヒューマンエラーが発生しやすく、担当者の時間を圧迫します。Makeでバックオフィスの定型業務を自動化すれば、正確性を担保しながら担当者の時間を本来注力すべき仕事に取り戻すことができます。
- 請求書処理・経費精算の自動化で、転記ミスと確認工数を同時に削減する
- 人事・採用プロセスのオンボーディング自動化で、入社手続きにかかる時間を劇的に短縮する
- 在庫管理・受発注の自動連携で、手作業のデータ更新によるズレをなくす
Make Silverパートナーの自動化コンサルティング企業Advanced Workflowsは、クライアント企業のバックオフィス自動化で顕著な成果を上げています。150人以上の製造業でHR業務の生産性を30%向上させ、300人以上のIT企業では月100時間以上の管理作業を削減し、評価プロセスを4倍速にした実績があります。


請求書処理・経費精算の自動化
請求書が届くたびにPDFを開き、金額・日付・取引先名を会計ソフトに手入力する。この作業は1件あたりの所要時間こそ短いものの、月末に集中すると膨大な量になり、転記ミスが起きやすいタイミングでもあります。
Makeでは、メールに添付された請求書PDFやGoogleドライブにアップロードされたファイルをトリガーにして、OCR(光学文字認識)やAIモジュールで内容を読み取り、会計ソフトやスプレッドシートに自動転記するシナリオを構築できます。
ここでMakeのエラーハンドラーが活きるのが、読み取り精度に問題があった場合の処理です。OCRで読み取れなかったフィールドや、金額に異常値が検出された場合には、自動処理を中断してレビュー用のキュー(たとえばAirtableの「要確認」ビューやSlackの専用チャンネル)に退避させ、担当者の目視確認を経てから処理を進める設計にできます。
金額に関わる処理は完全な無人化よりも、異常検知→人による確認→承認後に処理続行というフローのほうが安全です。Makeならこの「人の介入ポイント」をシナリオの中に自然に組み込めるため、自動化の効率とミス防止の安心感を両立できます。
人事・採用プロセスのオンボーディング自動化
新入社員のオンボーディングには、想像以上に多くの手続きが伴います。人事システムへの情報登録、メールアカウントの発行依頼、社内チャットへの招待、研修スケジュールの通知、必要書類の回収と確認。これらを担当者が1つずつ手作業で行うと、1人の入社処理に数時間かかることも珍しくありません。
Makeでは、人事システムへの登録をトリガーにして、各種アカウントの発行依頼メール送信、Slackワークスペースへの自動招待、Google Calendarへの研修スケジュール登録、タスク管理ツールへの初期タスク作成といった一連の処理をシナリオ化できます。Routerを使えば、部門ごとに異なるオンボーディングフロー(営業部門にはCRMの初期設定ガイドを送り、エンジニア部門には開発環境のセットアップ手順を送るなど)を自動で振り分けることも可能です。
在庫管理・受発注の自動連携
ECサイトの注文情報を在庫管理システムに反映し、出荷指示を出し、顧客に発送通知を送る。この一連のフローを手作業で回している場合、注文件数が増えるにつれてオペレーションが追いつかなくなるリスクがあります。
Makeでは、ECプラットフォーム(Shopify、WooCommerceなど)の注文データをトリガーにして、在庫管理システムへの反映、出荷指示の自動作成、顧客への確認メール送信までを自動化できます。1つの注文に複数の商品が含まれる場合、Iteratorが注文明細を1件ずつに分解して個別に在庫確認と出荷処理を行い、処理完了後にAggregatorで顧客向けの確認メールを1通にまとめて送信する、という流れがMakeの標準機能だけで実現できます。
この処理をZapierで行う場合、大量の注文明細を1件ずつ処理するとタスク消費が急速に膨らみ、コスト面で現実的ではなくなるケースがあります。Makeのクレジット単価であれば、大量のトランザクションを扱うECビジネスでも実用的なコストで運用できます。
Makeでできること④:部門横断の複雑な業務をまるごと自動化する
営業、マーケティング、バックオフィスと個々の部門内での自動化を見てきましたが、Makeの真の力が発揮されるのは部門をまたぐ複雑な業務プロセスの自動化です。多くの企業では、CRM、ERP、会計ソフト、プロジェクト管理ツール、コミュニケーションツールなど、部門ごとに異なるシステムが運用されています。これらのシステム間で手動によるデータ転記やステータスの連絡が行われている限り、情報の分断と遅延は避けられません。Makeなら、これらのシステムを1つのシナリオの中で接続し、部門をまたぐデータの流れを途切れなく自動化できます。
- ERPやCRM、SaaSツール間のデータ同期で、情報のサイロ化を解消する
- 複数ツールをまたぐ承認ワークフローの構築で、承認プロセスの停滞をなくす
- AIを活用した問い合わせの自動分類と対応で、人的リソースを本当に必要な案件に集中させる
ERPやCRM、SaaSツール間のデータ同期
企業の成長に伴ってSaaSツールの数は増え続けます。しかし、ツール間のデータが自動的に同期されていなければ、「CRMの顧客情報が最新だがERPには反映されていない」「マーケティングツールのリードデータとCRMのデータに食い違いがある」といった問題が日常的に発生します。
Makeでは、特定のイベント(CRMのステータス更新、ERPへの新規登録など)をトリガーにして、関連するすべてのシステムにリアルタイムでデータを反映するシナリオを構築できます。HTTPモジュールを使えば、公式アプリが用意されていないERPや社内システムとの連携も可能です。
この考え方を全社規模で実践しているのが、先述のDude Wipesです。同社はNetSuite(ERP)を中核に、各部門が利用するSaaSツールをMakeで統合しています。新しいツールを導入する際にまず確認するのは「Makeとの連携が可能か」であり、すべてのシステムが同じデータをリアルタイムで共有できる基盤をMakeで構築しています。
複数ツールをまたぐ承認ワークフローの構築
経費の承認、契約書のレビュー、新規取引先の登録といった承認プロセスは、複数の担当者と複数のツールを経由するため、途中で止まりやすい業務の代表格です。申請者がフォームに入力し、上長がメールで承認し、経理がシステムに登録するという流れでは、メールの見落としや対応の遅れが承認プロセスの停滞に直結します。
Makeでは、Webhookで申請データを受け取り、Routerで承認権限者を判定してSlackやメールで通知を飛ばし、承認アクション(ボタンクリックやフォーム回答)をトリガーに次のステップを自動実行する、という承認ワークフローを構築できます。既存のツール(Google Forms、Slack、Notionなど)をそのまま使いながら、それらをMakeでつなぐ形で設計できるため、新しいツールを全社に導入するコストと手間が不要です。
AIを活用した問い合わせの自動分類と対応
カスタマーサポートの問い合わせ対応は、件数が増えるほど人的リソースを圧迫します。すべての問い合わせに人が対応する体制では、問い合わせ量の増加に比例してスタッフを増やし続ける必要があり、コスト的に持続可能ではありません。
Makeでは、問い合わせを受信したら、まずAIモジュール(OpenAIやClaude)で内容を分析・分類し、Routerで対応フローを振り分けるシナリオを構築できます。たとえば、「パスワードリセット」「配送状況の確認」「請求に関する質問」といったカテゴリに自動分類し、定型的な問い合わせにはAIが自動回答を生成してメールで返信、判断を要する問い合わせは担当者にエスカレーションする、というフローです。
ここでも、完全に無人化するのではなく、AIの回答を人がレビューしてから送信する設計にすることが重要です。特に導入初期は、AIの分類精度と回答品質を人が確認しながら、プロンプトや分類条件を調整していくフェーズが必要です。MakeならAI回答の下書きをSlackに投稿し、担当者が確認・修正した後に送信トリガーを手動で実行する、という段階的な運用をシナリオ上で柔軟に設計できます。精度が十分に高まったカテゴリから順に完全自動化へ移行していくことで、リスクを最小限に抑えながらサポートの効率化を進められます。
Make活用事例に学ぶ:小さなチームが大きな成果を出した方法
ここまで、Makeでできることを業務領域ごとに見てきました。ここからは、Makeの公式サイトで紹介されている活用事例の中から、特に印象的な3つのケースを取り上げます。いずれも共通しているのは、小さなチームが自動化の力で自分たちの規模をはるかに超える成果を出していることです。自社の状況と重ねながら読んでみてください。
40人で2.5億ドル企業を回すDude Wipesの全社自動化戦略
米国のフラッシャブルワイプブランドDude Wipesは、2022年に月商600万ドルだった売上を、わずか3年で年商2.5億ドル規模にまで成長させました。注目すべきは、その急成長を支えたのがわずか40人のチームだったということです。
同社のオペレーション担当者がMakeを選んだ理由は、NetSuiteをはじめとする自社のSaaSスタック全体と連携できるシステム横断型の自動化基盤として使える点でした。毎月各部門のリーダーと面談を行い、手作業で行われている業務を特定し、パートナー企業のBegin Automationと共にMake上で自動化を構築。2年間で100以上の業務プロセスを自動化しました。
成果は具体的な数字に表れています。マーケティング担当の1人がサンプル発注のメール処理に費やしていた年間600時間が自動化によって解放されました。サプライチェーン部門では、AIエージェント「Diesel Dan」が入荷出荷の計画を自動で最適化し、担当者1人あたり年間200時間を創出しています。
特筆すべきは、100以上の自動化によって1つの雇用も失われていないという点です。同社にとって自動化とは人員削減の手段ではなく、従業員が本来やりたい仕事に集中できるようにするための手段です。この考え方こそが、小さなチームで急成長を支える組織文化の根幹になっています。
週10時間を削減したScentiaの顧客オンボーディング改革
ドイツのScientiaは、社会人が働きながら博士号を取得するためのマッチングサービスを提供する企業です。顧客のオンボーディングプロセスは、初回コンタクトから博士課程への合格まで数週間から数ヶ月に及び、その間に大量の書類の収集・確認・CRMへの登録が発生します。
自動化前は、Webフォームから届くリード情報を手動でPipedriveに入力し、メールのやりとりもすべて手作業で管理していました。ステータスの更新漏れや書類の確認遅延が頻発し、顧客を待たせてしまうケースも少なくありませんでした。
Makeの自動化パートナーMakeitfutureがScientiaと共に構築したのは、WordPress→Airtable→Pipedrive→Outlook を連携するオンボーディングフローです。フォーム送信を起点に顧客データがAirtableとPipedriveに自動登録され、ステータスの変更に応じてフォローアップメールが自動配信される仕組みにより、週10時間の作業時間を削減しました。さらに重要なのは、対応漏れがなくなったことで顧客体験そのものが向上した点です。
1週間でプロダクトを立ち上げたDare to Care Packagesのスピード構築
2020年、コロナ禍の英国で、起業家のJon Lo氏はわずか1週間でオンラインプラットフォーム「Dare to Care Packages」を立ち上げ、医療従事者へのPPE(個人防護具)の寄付と配布の仕組みを構築しました。
Lo氏はフルスタック開発者でありながら、あえてMakeを選びました。理由は3つ。複雑な業務ロジックの構築力、変更の容易さ、そして圧倒的なスピードです。パンデミックの状況は刻一刻と変化するため、数時間単位で仕様を変更し、即座にデプロイできるMakeの柔軟性が不可欠でした。
プラットフォームの全インフラ(寄付管理、配送追跡、リアルタイムの影響データ公開、リード分類、サポートチケット処理)をMake上に構築し、50万人以上の人々を支援。最初の数ヶ月で10万ポンドの資金を調達しました。自動化ツールは単なる業務効率化の手段ではなく、アイデアを最速でプロダクトとして形にする基盤にもなり得るということを、この事例は証明しています。
Makeの始め方:無料プランからできる最初の一歩
ここまでMakeでできることを幅広く見てきました。「自分のビジネスでも使えそうだ」と感じた方に向けて、最初の一歩を踏み出すための具体的な道筋を紹介します。Makeは無料プランから始められるため、いきなり予算を確保する必要はありません。
無料プランでできること・有料プランとの違い
Makeの無料プランでは、月1,000クレジット、2つのアクティブシナリオが利用できます。この範囲でも、たとえば「Googleフォームの回答をスプレッドシートに自動記録してSlackに通知する」「特定のメールを受信したらCRMにリードを自動登録する」といった基本的な自動化は十分に構築・運用できます。
有料プランへの移行を検討するタイミングの目安は、月1,000クレジットを恒常的に超えるようになったとき、またはアクティブシナリオを3つ以上同時に動かしたいときです。Core プランは月額$9で10,000クレジット、無制限のアクティブシナリオが利用でき、ビジネス用途での本格運用に対応します。
まずは無料プランで1つのシナリオを動かし、自動化の効果を実感してから有料プランに移行する。このステップを踏むことで、投資対効果を見極めた上で社内での導入判断ができます。
最初に自動化すべき業務の選び方
Makeを使い始めるとき、ありがちな失敗は「最初から複雑な業務を自動化しようとする」ことです。いきなり部門横断のワークフローに取り組むと、設計に時間がかかり、途中で挫折するリスクがあります。
最初に自動化する業務を選ぶ基準は3つです。
毎日または毎週、必ず発生する定型業務であること
頻度が高い業務ほど、自動化による時間削減効果が大きくなります。
手順が明確に決まっていること
「Aが起きたらBをする」というルールが言語化できる業務は、そのままMakeのシナリオに落とし込めます。逆に、担当者の経験と勘に頼る業務は、最初の自動化対象としては不向きです。
ミスが起きやすい、または実際にミスが起きている業務であること
手作業での転記ミスやメールの送り忘れが発生している業務は、自動化による改善効果が目に見えて分かりやすく、社内で自動化の価値を示す実績にもなります。
テンプレートを使って10分で最初のシナリオを動かす方法
Makeには数百のテンプレートが用意されており、ゼロからシナリオを設計する必要はありません。Google Sheets、Slack、Gmail、HubSpot、Notionなど、普段使っているツール同士を連携するテンプレートが豊富に揃っています。
最初のシナリオを動かすまでの手順はシンプルです。Makeのアカウントを無料で作成し、テンプレートライブラリからニーズに合ったテンプレートを選択し、連携するアプリのアカウントを認証し、テストを実行する。この流れで、早ければ10分程度で最初の自動化を動かすことができます。
大切なのは、まず1つ動かしてみることです。テンプレートをベースに小さな成功体験を積み、そこからRouter やIteratorを加えてシナリオを拡張していく。この段階的なアプローチが、Makeを使いこなすためのもっとも確実な道筋です。
まとめ
Makeは、ビジュアルキャンバス・条件分岐やループの標準搭載・HTTPモジュールによる無制限のAPI連携・圧倒的なコスト効率・AIエージェントのノーコード構築という5つの特徴で、他の自動化ツールとは明確に差別化された存在です。
営業・マーケティング・バックオフィス・部門横断業務と、あらゆる領域で複雑な業務プロセスを1つのシナリオにまとめて自動化でき、40人で年商2.5億ドルを回すDude Wipesのような企業も実際に生まれています。
無料プランから始められるため、まずはテンプレートを使って1つのシナリオを動かし、自動化がビジネスにもたらすインパクトを体感してみてください。








