営業をやっていると一度は聞いたことがある「営業ノート」
しかしそんな効果あるの?という疑問もあると思います。
そこで本記事では営業ノートをつけると何が変わるのか、そして営業ノートの作り方をご説明していきます。
営業ノートを作ることで変わること3つ
まず営業ノートを作ることで変化すること3つを説明します。
- 提案の質が上がる
- 関係構築がうまくいくようになる
- 成長スピードが劇的に上がる
①提案の質が上がる
営業担当としてはお客様の心に刺さる提案をしたいですよね。
そして、刺さる提案に必要なことは素敵に話すプレゼン力ではなく
お客様の情報をとにかくたくさん持っていることです。
どれだけ流れるようなプレゼンでも
自分の状況と違うことでは刺さりませんよね。
反対に、少しくらい話すのは下手だったとしても
お客様の状況や目標を完璧に理解した上で
目標までの具体的な提案だとしたら
それは刺さります。
そのために営業ノートが役立ちます。
営業経験があればご経験があるかと思いますが、
大切な情報は商談の中で断片的に出てくることも多く
商談後に整理しようとしても大部分は忘れてしまいますよね。
その場でメモすることにより大切な情報が漏れなく残るので
あとで作戦を考えるときに良いヒントとなってくれます。
また、商談中に営業ノートを書くと
営業担当の話した事に対するお客様の反応も細かくメモできるので
お客様に「なんでそんなことまで分かったの!?」と言わせるような
提案も夢ではありません。
②関係構築がうまくいくようになる
営業をしている方でしたら一度は
お客様と仲良くなる方法を考えたことがあると思います。
アイスブレイクネタを調べたり、企業のことを調べたり、担当者の名前で検索したり、わざと訪問先の近くの食堂で昼ご飯をとってそれをネタにしたり・・・等々
色々な方法があると思いますが、簡単で強力な方法として
「お客様に関する細かなことでも覚えている」ことは誰でも嫌な気持ちはしません。
「そろそろお子様が小学校入学ですね。おめでとうございます。ささやかではありますがお祝いをお持ちしました。」とか
「以前お話されていた○○の名産を先日食べる機会がありました。大変おいしかったです。ありがとうございます。」や
「私も最近ようやくゴルフを始めたんですが、中々うまくいかないもんですね。○○様はプロ級の腕前だと御社の方に伺いました。コツとか是非伺いたいです。」…etc
こんな風に言われると決して悪い気はしないと思います。
営業ノートを作ることで
お客様との共通の話題が増えて
一気に関係構築が進みます。
③成長スピードが劇的に上がる
営業ノートを作る最も大きいメリットが
営業スキルの成長スピードが劇的に上がることです。
PDCAサイクルを回すうえで最初のステップであり
最も大切なことが何かご存じでしょうか?
答えは『見える化』です。
正しく現状を把握できているから
改善点が明らかになったり
次にどうすべきかが分かります。
そして現状を正しく把握するために
営業ノートを使って言語化します。
ご自身の説明の仕方に対するお客様の反応、
お客様が大事なヒントを話してくれた時に自分は何を質問したか
1時間の商談の中でどういった時間の使い方をしたか…etc
振り返りに使える情報はたくさんあります。
少しでも営業のスキルを伸ばしたい方は
営業ノートを作ってみてください。
ご自身でも気づいていなかった問題点や強みが発見できて
結果的に数字になって帰ってきます。
営業ノートに書く内容
では営業ノートには何を書けばよいのでしょうか。
基本的には以下の3つを記載するようにしましょう。
- お客様の3つの状況(会社、担当者、個人)
- 提案内容と反応
- 宿題と期日
①お客様の3つの状況(会社、担当者、個人)
まずはお客様の情報を記載します。
お客様の情報には大きく3つあります。
- 会社のこと
- 担当者の会社でのこと
- 担当者個人のこと
会社のこと
まずは会社に関しての情報を記載します。
会社名や事業内容、設立年、従業員数、売上などHPの情報をメモしておきます。
ポイントは単なる数字を書くのではなくそれによりどんな特徴があるかを書くことです。
例えば、
「設立年が新しいからまだ社内制度は固まり切っていないのではないか」や
「売上に対して従業員数が少ないから外注を使っているのではないか」のように
提案につながるような仮説を立てておくことです。
担当者の会社でのこと
次にあなたが実際に会った担当者の会社でのことについてメモします。
部署の役割や目標と
その担当者の役割や目標
他部署や上司との関係性などです。
提案に興味を持ってくれるために必要な情報や
提案を社内で通してもらうために必要な情報となります。
担当者個人のこと
最後に担当者個人のことをメモします。
ご家族のことや生まれ、趣味などです。
意外と役立つのが
なんで今の会社で今の仕事をしているか
将来どんなことをやりたいと考えているのかです。
この内容を提案に盛り込めると担当者としてはあなたの会社の提案を採用しようとしてくれることが多いです。
②提案内容と反応
次にどんな提案をしたかとその時のお客様の反応を記載します。
前項の仮説を元に当日のゴールとそのための提案を立ててお客様にぶつけてみます。
そしてその時にお客様が引っかかったポイントや印象が良かったポイントなどをメモしておきます。
またご自身で試してみた質問や説明に関しても
話しやすかったかどうかなどメモしておくといいでしょう。
③宿題と期日
最後にその日の宿題と期日をメモしておきましょう。
営業を受けた側にとって
お願いした宿題をきっちりと期日までに
勧めてくれることは信頼につながります。
営業ノートをより有効に活用するためのテクニック3選
ここで営業ノートをより有効に活用するためのテクニックをご紹介します。
- 当日中に整理をする
- 棚卸をしよう
- 次のアクションを設定しよう
当日中に整理をする
まず基本的にその日に営業ノートに書いたことは当日中に整理するようにしましょう。
商談中のメモは情報がまとまっていなかったりするので覚えているうちに後日使える形に整理しましょう。
例えば、
事実:お客様の発言や行動
解釈:なぜそのような行動を取ったと考えるか
行動:次にどういう行動をすべきか
のように最終的に整理しておくと、次回の訪問時に簡単に思い出すことが出来ます。
当日の整理をすることによって自身の振り返りにもなるので
営業スキルの向上にも大きくつながります。
メモを手書きでしておいて、このタイミングでメモアプリに移し替えるのも有効です。
数か月スパンでの振り返り
次にもう少し長い時間軸で棚卸をしましょう。
実はちゃんと見返してみると前回は難しかったけれど今ならチャンスというお客様が結構います。
今までしてきた営業活動を無駄にしないようにきっちり巻き取っていきましょう。
次のアクションを設定しよう
最後に上記の2つで設定したアクションは必ず設定するようにしましょう。
カレンダーアプリ等を使って忘れないようにいつどんな話をするかを決めます。
ここで意外とやりがちなのは、
カレンダーで設定していたのに
ちょうど当日が忙しくてやっていなかったり
何となく気まずくて行動しないパターンです。
実は決めた通りの行動をきっちりやるだけで今より成績は上がります。
優秀な成績を出している営業の人でこうした行動をさぼっている人はいないですよね。
反対にどういう行動なら自分がしやすいかも色々検証してみるのも良いです。
営業ノートはどんなサイズや形式がよいか
最後に営業ノートのサイズや形式について説明していきます。
基本は持ち運びに便利なサイズ
まず基本的には持ち運びに便利なサイズがおススメです。
A4だとカバンを選ぶしかさばるのでB5サイズを使う人が多いです。
1法人1冊作る方がよい
また基本的には1法人1冊作りましょう。
理由は情報がまとまって見やすいからです。
前回までの商談の流れを把握する時には1法人でまとまっていた方がよいです。
前章でご説明したように、メモを棚卸して整理するのであれば
ルーズリーフを使って後でファイリングしたり
ノートはメモとして使って、後でデータとして整理することもあります。
電子ノートだと手軽
「紙のノートだと買い忘れが不安」や「持ち運びが大変」という方は電子ノートも便利です。
電子ノートだとそれさえ持っていけば済みますし
保存も出来るので安心です。
注意点としては電子ノートで検索すると保存機能がないものも出てくることです。
数千円くらいの商品は書く/消す機能しかついていないものも多いです。
また電子ノートだと最終的にPCやスマホに情報を送れると便利ですが
一般の電子ノートでは保存は出来ても共有するのは手間がかかるものもあります。
そこでおすすめなのは『DigiNote Pro』です。ノートに書いたものがPCやスマホの画面にリアルタイムで表示されます。
特にスマホにはBluetoothでの接続のため線をつないだりするのをお客様の前でしなくて済みます。
また最近増えてきているオンライン会議でも使いやすいと評判です。
元々クラウドファンディングで1024人の支援を受けた人気商品です。
ただし注意点としては、スマホに保存したものを再度ノート上に表示させることは出来ません(スマホ上での復元は可能です)。
そうした使い方をする場合には一般的な電子ノートの方が良いでしょう。
まとめ
今回は営業ノートについてまとめました。
意外と知らない営業ノートの効果も多いし、
どんなふうに書くかやどんなふうに分析するかなど
まだまだ深堀出来そうなテーマでしたね。
さらに詳しく知りたいという方はこちらの本がおすすめ
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