メタバース(Meta Verse)とはインターネット上の仮想空間のことです。
Meta社の誕生でバズワードとなったメタバース。
しかし、VRにMMORPG、NFTなどの難しい単語が山ほどあります。
それにサービスもSecond Lifeやフォートナイト、マインクラフト、あつ森…etc
何がメタバースにあたるのか…???
そこで本記事ではメタバースとは何かからサービスを時系列で把握する以下のような流れでご説明します。
- メタバースとは
- メタバースが急騰した理由とは
- メタバース関連サービスを時系列で理解
- メタバースを体験するなら
メタバースとは仮想空間のこと
まずはメタバースとは何かからご説明します。
具体的には以下の3項目となります。
- メタバースと従来型インターネットとの違い
- メタバースとVRの違いとは
- メタバースは小説が語源
メタバースと従来型インターネットとの違い
メタバースとは”インターネット上にある仮想空間のこと”です。
そして今までのインターネットとの違いは”没入感”です。
没入感とは”まるで隣に人がいるかのように感じる”こと。
インターネットがあくまで画面上だったのに対して
メタバースはその世界に入り込んでいるように感じるという
違いがあります。
メタバースとVRの違いとは
次にメタバースとVRの違いをご説明します。
メタバースが仮想空間なのに対して
VRはメタバースを現実の人が感じるための技術や機能のことです。
メタバースが概念なのに対して
VR(Vertual Reality)は仮想空間を現実化するためのヘッドマウントディスプレイ等のデバイスやアバターのトラッキング技術のことを指します。
メタバースは小説が語源
メタバースの語源はNeal Stephenson氏の“Snow Crash”と言われています。
『宇宙』を意味するUniverseと『超越した』を意味するMetaを掛け合わせて
仮想空間を意味するMeta-verseとしたといわれています。
しかしながらメタバース自体の定義は現段階ではあいまいであり大きく2つの意味があるといわれています。
- 既に社会実装されているオンラインゲーム的なメタバース
- 今後ビジネスへの発展が期待されるメタバース
第三章で詳しくご説明しています。
メタバースがバズった理由とは
メタバースがバズった理由を次に説明します。
《構成》
- Meta社の参入
- メタバースは2028年の100兆円産業
- メタバース(ゲームの世界)のビジネス利用に期待
Meta社の参入
まずは何を行ってもFacebook社のメタバース参入です。
2021年10月Facebookが”Meta”への社名変更を発表しました。
同時期にMeta社はメタバースの構築に少なくとも100億ドル(約1兆1400億円)の投資を行うと発表しました。
Meta社のこうした動きから今後のメタバース業界の隆盛を期待し、バズワードになったのでしょう。
メタバースは2028年の100兆円産業
そうしたメタバース業界に対する期待は具体的な試算としても出ており、
2020年に5.5兆円だった市場規模が
たった8年で95兆円に成長するという試算が出ています。
この試算でもまさに今後90兆円の成長をするため新しい事業を作るチャンスというわけです。
メタバース(ゲームの世界)のビジネス利用に期待
Meta社の参入や市場規模の急拡大から
”今まで娯楽としてのゲームの要素が大きかったものが
メタバース(≒ゲーム)の世界でビジネスチャンスが生まれる”
と考える人が増え、バズワードとなりました。
メタバース関連サービスを時系列で理解
次に時系列でメタバース関連サービスをご説明していきます。
こちらを読んでいただければ今のメタバースの大枠を把握することができます。
《メタバース関連サービス(時系列)》
2000年代初頭のメタバース | アメーバピグ、セカンドライフ |
2010年代のメタバース | 【MMORPG】
あつもり、フォートナイト、マインクラフト 【VR】 VR Chat、Cluster、NeosVR、Roblox、RecRoom |
メタバースの転機 | 【NFT】
The Sandbox、Decentraland |
今後期待されている
メタバース |
【音楽・アパレル】
Sansar、ZEPETO 【会議】 VIVE Sync、Horizon Workrooms、NEUTRANZ BIZ、rumii 【Meta社】 Horizon Workrooms Horizon Worlds Horizon Venue Horizon Homes |
2000年代初頭のメタバース|アメーバピグ、セカンドライフ
メタバースの原型は実は2000年代に既に始まっていたと言われています。
その当時のサービスがセカンドライフとアメーバピグです。
セカンドライフは2003年から、アメーバピグは2009年からサービスが開始されました。
アメーバピグは2019年にサービスを終了してしまいましたが
セカンドライフは現在のメタバースブームで人気が再燃しております。
当時のメタバースの特徴は『つながる』ことです。
1995年~2001年にかけてITバブルが起こりインターネットが普及しました。
インターネットによって今までオフラインでしかつながることが出来なかった人たちがつながるようになりました。
つまりインターネットの普及によって、
今まで地域や国、文化などに依存していたコミュニティが、
「自分の好きなもの」などの従来の区分を飛び越えたコミュニティに変わりました。
2000年代のメタバースはまさにそうしたコミュニティを作ってつながることを目的としていました。
そのため何かゴールがあるのではなく、あくまで仲のいい人や同じ趣味の人同士で集まることが目的という特徴がありました。
しかし、ご存じのようにセカンドライフやアメーバピグは一時のブームの後、すぐに人気がなくなってしまいました。
なぜなら当時のインターネット環境では同時接続に限界があったり、タイムラグの発生したりと技術的なハードルがあったからだといわれています。
2010年代のメタバース|MMORPG、VR
次に2010年代にどのようなサービスがあったのでしょうか。
キーワードはMMORPGとVRです。
MMORPG|あつもり、フォートナイト、マインクラフト
MMORPGとはMassively Multiplayer Online Role-Playing Gameの略であり
大規模多人数同時参加型オンラインRPGを意味します。
いわゆる今のオンラインゲームのことで
代表的なものはフォートナイト、マインクラフト、あつまれどうぶつの森などがあります。
特徴としてはゲームの要素とクリエイティブ要素があることです。
複数人で協力して何かを行ったり
多人数で対戦したりできるゲームの要素と
自分の世界観を作れるクリエイティブの要素があります。
フォートナイトであれば
最大4人で協力するRPGモード
最大100人で同時にプレイする対戦モード
プレイヤーが独自の世界を作成することができるクリエイティブモードなどがあり
マインクラフトでは
自由にブロックを配置して独自の世界観を作れるクリエイティブと
モブと戦ったり、他のプレイヤーと協力や競争したりするゲームの要素がありますし
あつまれどうぶつの森では
無人島での生活という設定と
自由度が両立されています。
上記のように
「ゲームとしてのルールや限定性」と
「自由度の高さが合わさっている」ことで
今まで以上にコミュニケーションが活性化します。
VR|VR Chat、Cluster、NeosVR、Roblox、RecRoom
VRサービスが出始めたのも2010年代です。
また我々がイメージするメタバースはこのVRサービスの”没入感”のことと言ってもいいでしょう。
つまり『今のメタバース』はVRサービスを元にしています。
代表的なVR関連サービスを以下に示します。
《VR関連サービス一覧》
VR Chat | ユーザー数数百万人のVR SNS。仮想空間へのダイブの体験には最適。プレイヤーが購入したり作成したモデルをインポートしてVRChat内で自身のアバターとして使用したり、ゲーム内のワールドを作成して他プレイヤーとVRChatを通して共有することも可能である(Wikipediaより引用)。 |
Roblox | アメリカ1億5000万人が利用する(特に学生)ゲーミングプラットフォーム。アイテムの販売、ボイスチャットが可能(GuuciGarden、VansWorld、NIKELANDなどが参加している) |
RecRoom | VR Chat以上の規模のVRメタバース。Robloxのようなクリエイティブ機能がある(販売も)。 |
Cluster | 日本初のVRサービス。VR LIVE配信などに使われることも多い。 |
NeosVR | VRメタバース。ワールド内にあるアイテムを自由に動かし、サイズを変えることが可能。インベントリー(仮想倉庫)を利用すると他のワールドのアイテムも持ち込み可。 |
参考文献:メタバースの歩き方
特徴としては、VRでの今まで以上にリアリティのある仮想空間でのコミュニケーションとアイテムやアバターの作成や売買ができる点です。
次章で説明するNFTによる転機の前に仮想空間内で経済が成立し始めています。
ではなぜこのタイミングでVRが出現したかというとテクノロジーの向上があります。
具体的には、アバター技術、ヘッドマウントディスプレイ、フルボディトラッキングセンサーなどのハードウェア技術などです。
こうした技術を活用したソフトウェア、ハードウェアを個人が所有できるようになったことでVRサービスが発展しました。
メタバースの転機|NFT
そしてNFTが登場しました。
NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことです。
仮想通貨のプラットフォームであるイーサリアム上でデジタルデータの取引が可能になったことで、今までいくらでも複製が可能だったデジタルデータが資産価値を持つようになりました(現在では複数のNFTプラットフォームが存在)。
複製が不可能になったことにより、メタバースに大きなビジネスチャンスが生まれました。
またバズワードになったことにより、改めてVRを活用したビジネスにも注目が集まりました。
現状のNFTを活用したメタバースサービスは以下のようなものがあります。
《NFTを活用したメタバースサービス》
The Sandbox | 初代は2D。現在は3Dでマインクラフトのよう。土地の売買もある(SAND:イーサリアムブロックチェーンで管理されている)。 |
Decentraland | セカンドライフのように土地売買ができるメタバース(イーサリアムブロックチェーンで管理されているMANA)。髪型やファッションアイテム、アート作品もMANAで売買されている。NFTのショールームとして使っているユーザーも。 |
参考文献:メタバースの歩き方
メタバース上の土地を売買から始まったメタバースのNFTですが、ショールームとしての活用が始まるなど、今後さらに発展が見込まれます。
今後期待されているメタバース|音楽・アパレル、会議、Meta社
本章の最後に今後期待されているメタバースサービスについてご説明していきます。
前項のNFTが普及したことにより期待され始めたメタバース。
さらにはFacebookのMetaへの社名変更。
こうした背景から”メタバースがビジネスに活用できるのではないか”という期待が高まりバズワードとなりました。
ここではエンタメやアパレル、会議などのビジネス、最も注目されるMeta社のサービスの3つをご紹介していきます。
エンタメ・アパレルのメタバースサービス
《エンタメ・アパレルのメタバースサービス》
Sansar | セカンドライフのリンデンラボ社の次世代セカンドライフともいえる。土地売買が可能だがNFTではないためSteamでのアプリ配布が可能。オンラインライブシステムとして音楽ライブやDJイベントも多い(EDM系)。現在はWookey Projectが運営。 |
ZEPETO | アバターの集合写真や動画を取ることがあるアプリ。カスタマイズ自由度が高くアパレルブランドが参入し見栄えがいいバーチャルファッションも増えた。ZEPETO Worldという場所で集まってユーザー間コミュニケーションも可能。TikTokやInstagramで火がついた。 |
コロナの影響もありオンラインライブが開催されたり、ファッションショーが行われたりしています。
時間と場所を選ばない&よりリアルに近い体験を兼ね備えたメタバースでのエンタメやアパレルはさらに発展していくと考えられます。
例えば、今まで店舗在庫に依存していたアパレルがマーケティングオートメーションのようにユーザーにより商品の変更をメタバース上で自動で行われることなども考えられます。
ビジネス向けメタバースサービス
《ビジネス向けメタバースサービス》
VIVE Sync | HTC ViveのHTCによるVR会議アプリ。自社の提供するヘッドマウントディスプレイで使えるため互換性がある。セキュリティと使いやすさを差別化要素としている。 |
rumii | シアトルのIT企業Doghead Simulationsの開発するビジネス向けVR会議アプリ。ホワイトボード、画面共有、3Dモデルの共有などができる。 |
NEUTRANS BIZ | 日本のスタートアップSynamonが提供するVR会議アプリ。PC画面共有、ホワイトボード、タイマー機能などが装備されています。 |
Horizon Workrooms | Meta社の提供するVR会議アプリ。次項で詳細説明。 |
コロナでZoomなどのオンライン会議サービスが爆発的に普及しましたが、対面での会議との違いに違和感を感じた人も多いのではないでしょうか。
そうした方はメタバースの会議サービスを利用してみるといいかもしれません。
視線や身振りなど、画面上では分からなかった情報が伝わるため、むしろ違和感が減ったという意見もあります。
またベストやグローブでの温度や触角の再現なども始まっており、テレワークが今まで以上に広まった現代では発展していくでしょう。
Meta社のサービス|Workrooms、Venues、Worlds、Home
最後にMeta社のメタバースサービスをご紹介します。
Meta社の社名変更、もしくはMeta社のメタバース領域への約1兆1400億円の投資のニュースを見て興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。
そんなMeta社は代表的な4つのサービスをご紹介します。
Horizon Workrooms | 仮想会議室でミーティング・配信ができる |
Hozizon Worlds | 複数のチームで動画配信を同時視聴できるパーティシアタールーム |
Horizon Venues | ビジュアルプログラミング言語でゲームワールドを作れる(2022アメリカカナダのみ) |
Horizon Home | インテリアでユーザーを迎えて集まったメンバーでQuest対応ゲームにログインできる |
Meta社のサービスは基本的にOculus Quest(ヘッドマウントディスプレイ)で使えるように作られており、上半身のみをトラッキングすることが特徴です。
その代わりにOculus Questは他のヘッドマウントディスプレイと比べると半分程度の価格で購入できます。
それでも没入感を十分に体験でき、その他のサービスも使うことができます(スポーツなど)。
メタバースを体験するなら
本章では今までご説明してきたようなメタバースを体験する方法についてご説明していきます。
既存のデバイスでも可能
まずはデバイスについてです。
結論としては「既存のデバイスでも可能だが没入感を感じるならヘッドマウントディスプレイを買うべき」です。
もし今すぐ始めたいのであれば、スマホでClusterをインストールしたり
VR ChatをPCでインストールしてみるとよいでしょう。
しかし、やはりメタバースを体験し、その可能性を感じたいのであれば
PC+ヘッドマウントディスプレイでVR Chatを使ってみるのをおススメします。
ただしメタバース体験ならヘッドマウントディスプレイ
ヘッドマウントディスプレイでの体験についてもう少しご説明します。
今までのオンライン体験は全て画面上で行われてきました。
WEBマーケティングもUIUXも全て画面上での課題であります。
しかしここからはそうした知見が通用しなくなる可能性があるということです。
画面での”見る”とメタバースでアバターで仮想空間に”入る”は全く異なります。
そしていち早くメタバースを体験しその応用を実行したものが100兆円市場の恩恵を受けることとなります。
海外の人といま最も簡単に繋がれる
さらに、まだ新興産業であるメタバースは海外の人とも簡単に繋がれます。
なぜなら言語の壁よりメタバース仲間であることの方が大きいからです。
いまだといくら英語がニガテでもどの人も気軽に話しかけてくれるためグローバルで活躍したいヒトにも大きなチャンスであります。
当然、どのメタバース企業も採用強化されていくでしょうし海外で働きたい人にとってもチャンスと言えます。
どのヘッドマウントディスプレイを選ぶべきか
最後にもしメタバース体験をするとすればどのヘッドマウントディスプレイを選ぶべきかについてご説明します。
結論から申し上げるとOculus Quest 2がいいでしょう。
前述のとおり、他社製品と比べると圧倒的に安価なうえ、十分に没入感を感じられるからです。
では他のヘッドマウントディスプレイはダメなのかと言われれば全くそんなことありません。
E-Sportsなどの全身追跡したいときには他社製品を選ぶべきです。
具体的にはGOOVIS ProやHTC VIVEなどがあります。
こうしたヘッドマウントディスプレイはフルボディトラッキングセンサーがついており、全身の動きを追跡してくれます。
Oculus Quest 2 | HTC VIVE Cosmos Elite | GOOVIS Pro |
まとめ
今回は今後期待が膨らむメタバースについてご説明しました。
今回の参考文献
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