「この面倒な事務作業、AIが自動でやってくれてもいいのに」と思ったことはありませんか?
この記事では、AIを使えば事務作業をどう自動化できるのか、そのアイデアを9つご紹介します。
浅く広くご紹介するので、自社の業務を楽にしそうな自動化が見つかったら、具体的な実現方法や使用ツールについて追加で調べてみてください。

AI事務作業自動化の全体マップ
以下の表で、作業カテゴリと使用する技術を俯瞰できます。自分の業務に近い作業を見つけて、該当セクションをご覧ください。
作業カテゴリと使用技術の対応表
| カテゴリ | 自動化できる作業 | 主な技術 |
| 経理・会計 | 請求書処理、経費精算 | AI-OCR、iPaaS |
| 顧客対応 | 問い合わせ返信 | 生成AI、iPaaS |
| 情報整理 | 議事録作成、レポート集計 | AI文字起こし、生成AI |
| 文書作成 | 契約書管理 | 生成AI、iPaaS |
| データ管理 | データ入力、顧客情報更新、在庫管理 | RPA、iPaaS |
使用技術の説明と代表的なツール
| 技術 | 概要 | 代表ツール |
| AI-OCR | 紙やPDFの文字を読み取ってデータ化。帳票テンプレ対応だと精度が安定しやすい | Google Cloud Vision、Amazon Textract、(AI-OCR各種) |
| RPA | パソコン上の操作を記録して再現。APIがない古いシステムでも自動化可能 | UiPath、Power Automate、WinActor |
| iPaaS | 複数のシステムやアプリを連携。高速で安定したデータ連携が強み | n8n、Make、Zapier、Power Automate |
| 生成AI | 文章や回答を生成。要約、下書き作成、分類などに強い | ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot |
| AI文字起こし | 会議音声をテキスト化し、要点整理やToDo抽出に活用 | Notta、Otter、Zoom/Teams など |
まつどの自動化の場合も、データ入力や転記、加工が得意という共通点があります。
いずれの方法を選ぶにしても、最終確認だけは人間がやる仕組みにしておいた方が安心です。
【事務作業1】請求書・領収書の処理を自動化
Before: 月末に請求書PDFを1枚ずつ開き、金額や取引先を目視で確認して会計ソフトに入力。入力ミスがないか再チェックも必要。
After: メール添付の請求書を自動で取り込み、AIが内容を読み取って会計ソフトへ登録。人は例外だけ確認すればよい。
どんな作業?
- 請求書・領収書の入力
- 勘定科目の仕訳
- データ保存・整理
自動化の流れ
- メール添付のPDFを自動検知
- AI-OCRが金額・日付・取引先・項目を読み取り(帳票がある程度定型なら精度が安定しやすい。読み取り結果はルールで検証し、例外だけ人が確認)
- 会計ソフト(freee、マネーフォワード等)に自動登録。勘定科目も過去データから自動推測
- PDFを「2025-02-07_株式会社〇〇_請求書.pdf」形式で自動リネーム・保存
- Slack/Teamsに処理完了通知
使用ツール
- AI-OCR: 請求書/領収書に強いAI-OCR(帳票テンプレ対応だと精度が安定しやすい)
- 会計ソフト: freee / マネーフォワードクラウド
- iPaaS: n8n / Zapier / Make
難易度
★★☆☆☆
削減時間の試算
想定: 月100枚の請求書処理
- 手作業: 1枚6分 = 月10時間
- 自動化後: 1枚1分(確認のみ)= 月1.7時間
- 削減効果: 月8.3時間削減(約83%削減)
※一般的な中小企業を想定した試算例です。
【事務作業2】問い合わせメール返信を自動化
Before: お客様対応のメールが届くたびに内容確認→回答作成→送信→履歴記録。繁忙期は対応が追いつかない。
After: よくある質問は自動返信、それ以外はAIが下書きを作って担当者が最終確認するだけ。
どんな作業?
- 問い合わせメール返信
- テンプレ文面の作成
- 対応履歴管理
自動化の流れ
- 問い合わせメール受信
- 生成AIが内容を分析し、FAQリストと照合。信頼度(スコア)が閾値以上なら自動回答、未満なら個別対応に振り分け(最初は閾値を高めにして誤回答を防ぐ)
- FAQ対応可: 回答文を自動生成・送信 個別対応必要: 担当者に下書き付きで通知
- 対応履歴をCRMに自動保存
使用ツール
- 生成AI: ChatGPT / Claude
- メール: Gmail / Outlook
- CRM: HubSpot / Salesforce
- iPaaS: n8n / Make
難易度
★★★☆☆
削減時間の試算
想定: 月200件の問い合わせ対応
- 手作業: 1件5分 = 月16.7時間
- 自動化後: FAQは自動対応、個別対応は下書き利用で1件2分 = 月6.7時間
- 削減効果: 月10時間削減(約60%削減)
※FAQ対応比率を50%とした試算例です。


【事務作業3】議事録作成を自動化
Before: 会議中にメモを取り、後から清書して共有。重要な決定事項やToDoが抜け漏れしやすい。
After: 会議音声を自動で文字起こしし、要点やToDoをAIが整理。人は最終確認するだけ。
どんな作業?
- 会議録音・文字起こし
- 要点まとめ
- ToDo抽出・共有
自動化の流れ
- Zoom/Teams会議を録音
- AI文字起こしツールが自動でテキスト化
- 生成AIが議事録を整形し、要点とToDoを抽出
- Google Docsに自動保存し、Slack/Teamsで共有
- ToDoをタスク管理ツールに自動登録
使用ツール
- AI文字起こし: Notta / Otter / Zoom文字起こし
- 生成AI: ChatGPT / Claude
- ドキュメント: Google Docs / Notion
- タスク管理: Asana / Trello
- iPaaS: n8n / Zapier
難易度
★★☆☆☆
削減時間の試算
想定: 月10回の会議、1回60分
- 手作業: 1回30分 = 月5時間
- 自動化後: 1回5分(確認・微修正)= 月0.8時間
- 削減効果: 月4.2時間削減(約84%削減)
※録音・共有まで自動化する場合の試算例です。
【事務作業4】データ入力・転記を自動化
Before: Excelやシステム間でデータをコピー&ペースト。入力ミスや漏れが発生しやすい。
After: データの追加や更新を検知して、自動で転記・同期。人はエラーだけ確認すればよい。
どんな作業?
- Excel入力
- 社内システムへの転記
- データ同期
自動化の流れ
- Excel/Google Sheetsの更新を検知
- iPaaSがデータを変換・整形
- CRMや社内システムに自動入力
- 入力ミス検知ルールを通過したら完了通知
- エラー発生時のみ担当者へ通知
使用ツール
- スプレッドシート: Excel / Google Sheets
- iPaaS: n8n / Make / Zapier
- RPA: Power Automate / UiPath(APIがない場合)
難易度
★★★☆☆
削減時間の試算
想定: 月500件の入力作業
- 手作業: 1件2分 = 月16.7時間
- 自動化後: 1件10秒(確認のみ)= 月1.4時間
- 削減効果: 月15.3時間削減(約92%削減)
※入力の定型度が高い業務を想定した試算例です。
【事務作業5】経費精算を自動化
Before: 領収書を貼り付け、金額・日付・用途を手入力。申請漏れや承認遅れが発生しやすい。
After: 領収書を撮影するだけでAIが入力し、規定チェック・承認フローまで自動化。
どんな作業?
- 領収書入力
- 規定チェック
- 承認フロー
自動化の流れ
- スマホで領収書撮影
- AI-OCRが金額・日付・用途を読み取り
- 規定外経費を自動でフラグ
- 承認者へ自動申請
- 承認結果を会計ソフトへ自動反映
使用ツール
- 経費精算SaaS: freee / マネーフォワード / 楽楽精算
- AI-OCR: 各SaaS内蔵機能
- iPaaS: n8n(外部連携用)
難易度
★★☆☆☆
削減時間の試算
想定: 月50件の経費精算
- 手作業: 1件10分 = 月8.3時間
- 自動化後: 1件3分(確認のみ)= 月2.5時間
- 削減効果: 月5.8時間削減(約70%削減)
※承認フローを含めた試算例です。
【事務作業6】在庫管理を自動化
Before: 在庫数を手で集計して更新し、発注タイミングを経験で判断。欠品や過剰在庫が発生しやすい。
After: 売上データをもとに在庫を自動更新し、閾値を下回ると自動で発注アラート。
どんな作業?
- 在庫数更新
- 発注判断
- 発注書作成
自動化の流れ
- POS/ECの売上データを取得
- 在庫数を自動更新
- 下限値を下回ったらアラート発信
- 発注書を自動生成
- サプライヤーへ自動送信
使用ツール
- POS/EC: Shopify / Square / 楽天市場など
- 在庫管理SaaS: ロジクラ / SmartMat Cloud
- iPaaS: n8n / Zapier
- 生成AI: 発注書文面生成(必要なら)
難易度
★★★☆☆
削減時間の試算
想定: 月300品目の在庫更新
- 手作業: 1品目2分 = 月10時間
- 自動化後: 自動更新、確認のみで月0.6時間
- 削減効果: 月9.4時間削減(約94%削減)
※300品目を扱う小売業を想定した試算例です。
【事務作業7】契約書の作成・管理を自動化
Before: 過去の契約書をコピーして内容を書き換え、押印のため紙で郵送。更新期限の管理も手作業で更新漏れが発生。
After: 契約書は叩き台(ドラフト)を自動生成し、最終確認は人が行う前提で締結までのリードタイムを短縮。更新期限も自動通知される。
どんな作業?
- 契約書の叩き台(ドラフト)作成(定型条項の反映・差分整理)
- 署名・捺印管理
- 更新期限管理
自動化の流れ
- 案件情報から生成AIが叩き台ドラフトを作成(定型条項はテンプレ反映、可変部分だけ差分として整理)
- 電子署名システムへ自動送信
- 署名完了後、契約書管理システムへ自動保存
- 更新期限30日前に担当者へ自動通知
使用ツール
- 生成AI: ChatGPT / Claude
- 電子署名: クラウドサイン / DocuSign
- 契約管理: Hubble / LegalForce
- iPaaS: n8n / Zapier
難易度
★★★☆☆
削減時間の試算
想定: 月20件の契約書処理
- 手作業: 1件30分 = 月10時間
- 自動化後: 1件5分(確認・微調整)= 月1.7時間
- 削減効果: 月8.3時間削減(約83%削減)
【事務作業8】定期レポート作成を自動化
Before: 各ツールから数字を集めてExcelで整形し、報告用にまとめる。月末に作業が集中しがち。
After: データを自動収集し、レポート形式に整形。AIが所見の下書きまで作成する。
どんな作業?
- データ収集
- レポート整形
- 所見作成
自動化の流れ
- Google Analytics、広告、売上などのデータを自動取得
- スプレッドシートに自動集計
- 生成AIが所見の下書きを作成
- PDF化してメールで自動送信
- Slackで共有
使用ツール
- BI/集計: Google Sheets / Looker Studio
- 生成AI: ChatGPT / Claude
- iPaaS: n8n / Make
難易度
★★☆☆☆
削減時間の試算
想定: 月1回のレポート作成(4時間)
- 手作業: 月4時間
- 自動化後: 月1時間(確認・微修正)
- 削減効果: 月3時間削減(約75%削減)
※広告運用レポートを想定した試算例です。
【事務作業9】顧客情報更新・同期を自動化
Before: フォーム、名刺、CRM、スプレッドシートがバラバラで二重入力が発生。更新漏れや重複が起きやすい。
After: 入力を起点に自動で登録・重複チェック・同期。人は例外だけ確認する。
どんな作業?
- 顧客データ登録
- 重複チェック
- システム間同期
自動化の流れ
- Webフォームや名刺管理ツールから顧客情報取得
- 生成AIが会社名・住所を正規化
- CRMに自動登録し、重複チェック
- スプレッドシートやメール配信ツールに同期
- 更新・追加をSlack通知
使用ツール
- フォーム: Google Forms / Typeform
- 名刺管理: Sansan / Eight
- CRM: HubSpot / Salesforce
- iPaaS: n8n / Zapier
- 生成AI: データ正規化用
難易度
★★★☆☆
削減時間の試算
想定: 月100件の顧客登録
- 手作業: 1件5分 = 月8.3時間
- 自動化後: 1件1分(確認のみ)= 月1.7時間
- 削減効果: 月6.6時間削減(約80%削減)
まとめ
本記事では、9種類の事務作業それぞれの自動化方法を解説しました。削減できる時間は月数時間から数十時間規模で、作業内容によって最適なツール・手法が異なります。
自社での導入を検討する際は、まず1つの作業から小さく始め、効果測定を行ってから横展開するのがおすすめです。複雑な設定が必要な場合は、専門家への相談も選択肢の一つです。
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