Zapier料金高騰の原因は課金単位。Make・n8nへ代替でなぜ安くなる?

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Zapierの請求額が月を追うごとに増えていく。最初は数千円だったはずが、気づけば数万円になっていた。そんな経験をした方も少なくないはず。

料金が跳ね上がる原因は、使いすぎでも設定ミスでもありません。根本的な理由は、Zapierの課金単位がTaskだからです。この仕組みを理解しないまま自動化を増やすと、実行回数とアクション数の掛け算で請求額が膨らんでいきます。

一方、Makeやn8nに代替することで、同じ処理を大幅に低コストで実現できるケースがあります。なぜ安くなるのか。それは課金単位そのものが違うからです。

この記事では、Zapierの課金単位Taskがなぜコスト高騰を招くのかを解説し、Makeとn8nの課金単位との違いを初見でもわかりやすく説明します。どちらのツールを選ぶべきか、移行で失敗しないための段階的な手順にも触れています。

※ツールの料金体系は変更される場合があります。料金や計算例は目安として考え、乗換時は最新の料金体系をご確認ください。

目次

Zapierが高くなる理由はTaskという課金単位にある

ZapierのTaskとは

ZapierにおけるTaskとは、Zapが成功裏に完了したアクションのことを指します。公式の定義によれば、TaskはZapierがあなたの代わりに実際に行った作業としてカウントされます。

具体的には以下のような動作がTaskとしてカウントされます。

新しいメールをSlackに通知するZapの場合、Slackへのメッセージ送信が1 Taskです。フォームの回答をGoogleスプレッドシートに追加し、同時に担当者にメール通知を送るZapでは、スプレッドシートへの行追加で1 Task、メール送信で1 Taskの合計2 Tasksが消費されます。

重要なのは、以下の動作はTaskとしてカウントされない点です。Trigger(トリガー)、Filter by Zapier、Formatter by Zapier、Paths by Zapierなどの組み込みツール、そして失敗したアクションはTaskを消費しません。

つまり、Zapierでは実際に外部アプリに対して何らかのアクションを実行した回数が、そのまま課金対象になる仕組みです。

なぜTaskが増えると料金が跳ね上がるのか

Zapierの料金が高騰する理由は、実行回数とアクション数の掛け算でTaskが計算されるためです。

例として、問い合わせフォームから届いた内容を処理するZapを考えてみましょう。

  1. フォームの回答を受け取る(Trigger – Task消費なし)
  2. Googleスプレッドシートに記録(1 Task)
  3. 担当者にSlack通知(1 Task)
  4. 顧客にメールで自動返信(1 Task)
  5. CRMに顧客情報を登録(1 Task)

この場合、1件の問い合わせにつき4 Tasksが消費されます。月間で500件の問い合わせがあれば、このZapだけで2,000 Tasksを消費することになります。

ZapierのProプランは月額19.99ドル(年払い時)で750 Tasksが含まれます。月払いの場合は29.99ドルになります。上記の例では、このプランの制限を大幅に超えてしまいます。

さらに問題なのは、ビジネスの成長に伴いTask消費が加速度的に増加することです。月の途中でTaskの上限に達した場合、超過分の扱い(追加課金/実行制限など)はプランや課金設定によって異なります。必ずBilling設定を確認してください。

自分のZapが月どれくらいTaskを消費しているか確認する方法

代替ツールへの移行を検討する前に、現在どれくらいのTaskを消費しているかを把握することが重要です。

Zapierの管理画面からBilling & Usageにアクセスすると、当月のTask消費量と残りのTask数が表示されます。ここで確認すべきポイントは以下の3点です。

1.月間のTask消費量がプランの上限に対してどの程度の割合を占めているか

80パーセント以上を常に消費している場合、プランのアップグレードまたは代替ツールの検討が必要です。

2.どのZapが最もTaskを消費しているか

個々のZapの実行履歴から、Task消費の多いワークフローを特定できます。

3.Task消費のトレンド

過去数ヶ月の推移を見て、消費量が増加傾向にあるかを確認します。

Zapier代替で安くなる仕組み:課金単位の違いを理解する

Makeの課金単位Credit(モジュール実行)

Makeでは、1つのモジュールの実行が1 Creditとしてカウントされます。公式の説明によれば、Googleスプレッドシートに行を追加する、Gmailアカウントのデータを取得するといった各モジュールアクションが1 Creditに相当します。

一見するとZapierのTaskと同じように見えますが、実際の料金には差があります。

Makeは月額9ドル(年払い換算)で5,000 credits/月が含まれます(公式ページ上で上位のcredits枠も選択可能です)。

一方、ZapierのProプランは月額19.99ドル(年払い時)で750 Tasksです。同価格帯で比較すると、Makeはより多くの実行枠を確保しやすい傾向にあります。

ただし、Makeでは、データを繰り返し処理する際のイテレーターやアグリゲーターも、処理する項目ごとにCreditを消費します。例えば、100件のデータを1つずつ処理する場合、100 Creditsが消費される可能性があります。データ処理の設計次第では、想定以上にCreditを消費するケースがあるため注意が必要です。

n8nの課金単位Workflow Executions(実行回数)

n8nの課金体系は、ZapierやMakeとは根本的に異なります。n8nではWorkflow Executions、つまりワークフロー全体の実行回数で課金されます。

公式の定義によれば、Executionとは、ワークフロー全体が開始から終了まで1回実行されることを指します。重要なのは、ワークフロー内に何個のステップがあっても、処理するデータ量がどれだけ多くても、1回の実行は1 Executionとしてカウントされる点です。

先ほどの問い合わせ処理のワークフローを考えてみましょう。フォームの回答を受け取り、スプレッドシートに記録し、Slack通知を送り、メールで返信し、CRMに登録する。このワークフローをn8nで構築した場合、1件の問い合わせ処理が1 Executionとしてカウントされます。

一方、Zapierでは同じ処理で4 Tasksが消費され、Makeでも4 Creditsが消費されます。

n8nのスタータープランは月額20ユーロ(年払い時)で2,500 Executionsが含まれます。プロフェッショナルプランは月額50ユーロ(年払い時)で10,000 Executionsです。ワークフロー内のステップ数が多いほど、n8nのコスト優位性は高まります。

課金単位の違いがコストに与える影響【試算例】

具体的なシナリオを使って3つのツールのコストを比較してみます。ただし、これはあくまで概算であり、実際のコストは使用するアプリやワークフローの複雑さ、各ツールの料金改定によって変動します。必ず公式の最新価格と自社の実際の使用状況で確認してください。

シナリオ:月間1,000件の新規リードを処理するワークフロー
ワークフローの内容は、Webフォームからリード情報を受信(Trigger)、Googleスプレッドシートに記録、CRMにコンタクトを作成、担当営業にSlack通知、リードに自動返信メールを送信の5ステップです。Triggerを除いて4つのアクションが実行されます。

・為替レートは2026/01/24時点で計算
1 USD = 155.705 円、1 EUR = 184.1438 円

  • Zapier:10,744円(Team:$69/月 ※年払い換算、2,000 Tasks/月)
  • Make:1,401円($9/月 ※年払い換算)
  • n8n:3,683円(Starter:€20/月 ※年払い換算)

Zapierの場合、Taskは成功したアクション単位で増え、TriggerはTaskに含まれません。この例では、1件のリード処理で4 Tasksが消費され、月間1,000件では4,000 Tasksが必要です。

したがってZapierでは、少なくとも4,000 Tasks/月を満たせるプラン(上位プラン、または追加Tasksの購入など)を検討する必要があります。なおTeam($69/月 ※年払い換算)は2,000 Tasks/月のため、この例(4,000 Tasks/月)ではTeamだけでは不足します。

Makeの場合、課金単位はCredits(モジュール実行)です。Zapierと同様に4つのアクションをベースに考えつつ、MakeはTrigger(受信)もモジュール実行として消費に含まれることがあるため、この例では保守的に1件あたり5 Credits(Trigger 1 + アクション4)として見積もります。月間では5,000 Creditsが必要です。Makeは公式ページ上でCredits/月の枠を選ぶ形式のため、$9/月 ※年払い換算=1,401円で必要なCredits枠を満たすように選択できれば、このシナリオをカバーできます。

n8nの場合、クラウド版の課金単位はWorkflow Executions(ワークフロー実行回数)です。ワークフロー全体で1 Executionとカウントされるため、月間1,000件の処理なら月間1,000 Executionsで済みます。n8nのStarterプラン(2,500 Executions、€20/月 ※年払い換算=3,683円)で対応可能です。

このシナリオでは、Makeとn8nがコストを抑えやすいことがわかります。n8nは、ワークフロー内のステップ数が増えても(Execution数が同じなら)料金が変わらないため、複雑な処理を行う場合に有利です。

Zapier代替ツールの選び方:Makeとn8nどちらを選ぶべきか

Zapierの代替先として有力なMake・n8nについて解説します。代替ツールの詳細な比較は以下の記事でもしているので、併せてご参考ください。

Makeを選ぶべきケース

Makeは以下のような状況に適しています。

Zapierに近い操作感で移行したい場合です。Makeのビジュアルエディターは直感的で、Zapierからの移行障壁が比較的低いといえます。

中程度の複雑さのワークフローを扱う場合にも向いています。1つのワークフローあたりのステップ数が5から10程度であれば、Makeの課金体系でも十分にコストメリットがあります。

また、2,000以上のアプリとの連携が必要な場合、Makeの豊富な統合ライブラリが役立ちます。

ただし、Makeにも注意点があります。非常に複雑なワークフローや、大量のデータを繰り返し処理する場合、Credit消費が予想以上に増える可能性があります。特にイテレーターを使用する際は、処理する項目数に応じてCreditが加算されるため、事前に消費量を見積もる必要があります。

n8nを選ぶべきケース

n8nは以下のような状況で特に力を発揮します。

1つのワークフローで多数のステップを実行する場合です。例えば、1件のイベント処理で10から20のアクションを実行するようなケースでは、n8nのExecution課金が圧倒的に有利になります。

データ処理が多い自動化にも適しています。大量のレコードを読み込んで加工し、複数のシステムに分配するような処理では、n8nの課金モデルが効率的です。

技術的なカスタマイズが必要な場合、n8nはコードノードを使ってJavaScriptやPythonを直接記述できます。

セルフホスティングを検討している場合も、n8nは有力な選択肢です。オープンソース版のコミュニティエディションは完全に無料で使用でき、インフラコストのみで運用できます。

ただし、n8nにもトレードオフがあります。Zapierと比較すると学習曲線がやや急で、特にセルフホスティングを選択する場合はインフラの知識が必要になります。

Zapier代替で失敗しない移行手順

ステップ1:現在のZapを棚卸しする

移行の第一歩は、現在運用しているZapの全体像を把握することです。

Zapierの管理画面から、すべてのZapをリストアップします。各Zapについて、Zapの名前と目的、使用しているアプリとアクション、実行頻度とTask消費量、ビジネスへの影響度を記録してください。

ステップ2:影響度と難易度でZapを分類する

棚卸しが完了したら、各Zapを影響度と移行難易度の2軸で分類します。

影響度は、そのZapが止まった場合のビジネスへの影響の大きさです。移行難易度は、新しいツールへの移行がどれだけ複雑か、ということです。

この2軸で分類すると、低影響度かつ低難易度、低影響度かつ高難易度、高影響度かつ低難易度、高影響度かつ高難易度の4つのカテゴリーができます。

低影響度かつ低難易度のZapは移行の練習として最適です。高影響度かつ高難易度のZapは最後に移行すべきです。

ステップ3:低リスクなZapから段階的に移行する

分類が完了したら、実際の移行を開始します。必ず低リスクなZapから始めてください。

最初は低影響度かつ低難易度のZapを選び、新しいツールで同等のワークフローを構築します。次に低影響度かつ高難易度のZapに挑戦し、十分な経験を積んだら高影響度かつ低難易度のZapに移行します。最後に高影響度かつ高難易度のZapを移行します。

重要なのは、一度に多くのZapを移行しないことです。1つのZapを移行したら、数日から1週間程度様子を見て、問題がないことを確認してから次に進みます

ステップ4:二重運用で動作確認する

移行において最も重要なのは、新しいワークフローが期待通りに動作することを確認することです。そのために二重運用の期間を設けます。

二重運用とは、ZapierのZapと新しいツールのワークフローを同時に稼働させることです。同じトリガーに対して両方のツールが反応し、同じ処理を実行します。二重運用が難しい場合は期間を短くしたり、Zapier側のみ停止したりと状況に合わせて調整してください。

この期間中に、新しいワークフローが確実に実行されているか、出力結果が一致しているか、エラーが発生していないか、実際の消費量が予測と合っているかを確認します。

二重運用の期間は、ワークフローの重要度と複雑さに応じて調整します。重要度の低いワークフローなら数日から1週間、重要度の高いワークフローなら2週間から1ヶ月程度が目安です。

ステップ5:本移行後にZapierをダウングレード/解約する

二重運用で動作が安定していることを確認したら、ZapierのZapをOffにして実行を停止します。しかし、Zap自体は残しておきます。

新しいツールのみでの運用を1ヶ月程度続け、問題がないことを確認します。問題がなければ、Zapierのプランをダウングレードします。すべてのZapを移行した場合は無料プランに変更するか、アカウントを解約します。

Zapierのアカウントを完全に削除する前に、すべてのZapの設定をバックアップとして保存しておくことをおすすめします。

移行完了後も、定期的に新しいツールの使用状況とコストを確認します。当初の見積もり通りのコスト削減が実現できているか、ワークフローが安定して動作しているかをモニタリングし、必要に応じて最適化を続けます。

まとめ

Zapierの料金が高騰する根本的な理由は、課金単位にあります。成功したアクションの数で課金されるため、実行回数とアクション数の掛け算で請求額が膨らみます。

代替ツールで安くなるのは、課金単位が異なるためです。MakeはCreditsで課金され、同価格帯でより多くの実行枠を確保しやすい傾向があります。n8nはWorkflow Executionsで課金されるため、ワークフロー内のステップ数に関わらず1回の実行が1 Executionとしてカウントされます。複雑な処理ほど、n8nのコスト優位性が高まります。

ツール選びの基準は明確です。Zapierに近い操作感で移行したい場合や中程度の複雑さのワークフローならMake、1つのワークフローで多数のステップを実行する場合やデータ処理が多い自動化ならn8nが適しています。

移行は段階的に進めることが重要です。現在のZapを棚卸しし、影響度と難易度で分類し、低リスクなものから順に移行します。二重運用で動作を確認し、問題がないことを確認してからZapierをダウングレードまたは解約します。

課金単位の違いを理解し、自社のワークフローに適したツールを選び、段階的に移行を進めれば、コストを抑えながら自動化の恩恵を受け続けることができます。

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